日が暮れて暗くなると、辺りが見えづらくなる。そんな不便を感じている人は少なくありません。
ロート製薬が行った調査によると、「夕方以降、見えづらい」と感じる人は40~50代だと約47%※1。なんと半数近い人が、“夜の見えづらさ”を感じているのです。
本来、明るい場所から暗い場所へ行くと、少しの間見えづらくなるものの、目が慣れるにしたがってぼんやり見えるようになってくるのが普通です。ところが、いつまでたっても見えづらい状態が続くと、段差に気づかずつまずいたり、車を運転していても歩行者や自転車に気づくのが遅れることも。
実は、そんなつらい症状を引き起こす原因は様々で、誰にでも起こりうる理由が多いのも特徴なんです。他人事ではないからこそ、今回は改めて“夜の見えづらさ”の原因と対策を解説。現在お悩みの方はもちろん、まだ実感したことがない方にも知っていただきたいお話です。
※1 ロート調べ:2020年実施 35歳~65歳の男女30,000名を対象
<目次>
答えてくれたのは、
企画担当 ロートネーム:れいちゃん
ロートネーム:やなぎぃ
企画担当 ロートネーム:れいちゃん
ロート製薬はよりよいアイケアをお届けするために、お客様の声をとても大切にしています。研究開発のためにお悩みをお聞きすることも多い中、以前から“夜の見えづらさ”に悩んでおられる方が多いことに注目していました。そこで、そのお悩みを抱える方が、実際にどんな時にどんなことで困っておられるのか調査すると、切実な様子が見えてきました。
「夜の運転時に人や自転車に気づきにくい」
「夜の運転時は、信号や対向車のライトがまぶしくて疲れる」
「自転車に乗っている時に、向こうから人が来るのになかなか気づけない」
「夜間に歩いていて段差が見えず、転びそうになった」
このようにつらい症状の原因は一つではなく、いくつもの要因が重なっていることもあります。そのどれもが決して特別なことではなく、誰にでも起こりうることばかり。だからこそ日頃から注意していただきたいのです。
ロートネーム:やなぎぃ
パソコンやスマホを見続けている時や、細かい作業をしている時などに、目がかすんだり、ぼやけて見えると感じる人は多いのではないでしょうか。ぼやけやかすみは、目の疲れによっても起こりがちです。 目の疲れには、“筋肉の疲労”と“神経系の疲労”があります。一つは、目を酷使することで水晶体を支える筋肉が緊張状態になっている“筋肉の疲労”。もう一つが、精神的なストレスなどで自律神経が乱れることで、モノを見る際に伝えるべき信号が上手く伝わらないことで起こる“神経系の疲労”。原因は違えど、どちらの場合もピント調節が上手くできず、ぼやけて見えがちです。それがただでさえ暗くてコントラストが判別しにくい夕方や夜なら、さらにピント調節がしにくく、見えづらさを感じてしまいます。
対策
目の奥の神経や筋肉の疲れには、目の酷使によって消耗しがちなエネルギー産生を促し、筋肉や神経の働きをスムーズにするビタミンB1や、末梢血流促進に働くビタミンEを摂取するのが効果的です。また、疲れ目に効く目薬を使用するなど、内外ケアが大切です。
現代人の多くが感じる目の乾きも、実は“夜の見えづらさ”に関係があります。 普段、目は涙液によって乾燥から守られていますが、目が乾くと均一だった涙液の膜が部分的に薄くなったり欠けたりして、表面がデコボコ不安定な状態に。そこに光が当たると乱反射が起きるため眩しく感じます。加えて、パソコンや電子機器を使う多くの人が夕方には涙液が減少しているというデータもあり、夕方や夜は目が乾きやすくなる傾向に。車の対向車などの光を過剰に眩しく感じて、周囲の景色の見えづらさにもつながります。
目の表面の涙の構造
目の乾きには、ビタミンAの摂取不足も関係します。ビタミンAは、目の表面に涙液を留めるムチンの生成にも関わっているので、不足すると涙液が不安定になって目の乾きが起こりやすく、目に負担をかけてしまいます。
対策
このような目の乾きには、涙を目の表面に留めるために必要なムチンの分泌を促す働きがあるビタミンAの摂取がおすすめです。
カメラでいうレンズの役割をしている水晶体と、レンズである水晶体の厚さを調節してピントを合わせる毛様体筋の働きが老眼に関係します。
毛様体筋が緊張して縮むと水晶体が厚くなって近くにピントが合うようになるのですが、加齢で水晶体が硬くなって弾力がなくなると、毛様体筋が緊張しても水晶体の厚みが変わらなくなってしまいます。そのため、近くにピントが合わなくなり、手元が見づらい=老眼になるのです。初期段階では、明るいうちは気にならないのに、夕方になると遠くがかすんで見えるという症状が自覚されます。これは、昼間は仕事でパソコンを使うなど、近くを見ていることが多いため、ピントが近くに合う状態で固まり、夕方には遠くにピントが合いづらくなっている状態。“夕方老眼”とも呼ばれています。
対策
老眼は加齢現象なので避けることはできませんが、目の疲れをとる働きのある成分、ネオスチグミンメチル硫酸塩が入っている目薬の使用がおすすめです。また、ルテインやアスタキサンチンを摂取するほか、抗酸化力の高いビタミンCを摂るのもいいですね。
“鳥目”とも呼ばれる「夜盲症」は、夜や暗い場所で視力が低下してしまう病気。いくつかの原因がありますが、“ビタミンA不足”もその一つです。
人が何かを見る時は、目の裏側の網膜にある視細胞が光を感知します。その視細胞は、明るい環境が得意な錐体(すいたい)細胞と、暗い環境が得意な桿体(かんたい)細胞の2種類があり、それぞれの光受容体が、光を受け取り、信号として脳に伝えることで見えるのです。夜見るためには、桿体細胞の光受容体であるロドプシンが働くべきところですが、原料となるビタミンAが不足するとロドプシンが生成できません。そうなると受容体が足りないので、弱い光を受け取れず、暗い環境で見えづらくなってしまいます。
対策
栄養状態がよい現代では、ビタミンA不足の人は少ないといわれるものの、実際は、働き世代はビタミンA摂取不足というデータも。ビタミンAは緑黄色野菜に多く含まれていますが、野菜不足が気になる方はサプリメントで摂るのもいいですね。
[原因④]で、モノを見る時は網膜で光を感知するとご説明しましたが、その網膜の中心に“黄斑部”という組織があります。黄斑部は約1~2㎜の小さな部位でありながら、細かいモノを識別したり、色と色の境目を見分ける働き(=色コントラスト感度)をもつ大切な部分です。そのため、ルテインやゼアキサンチンという黄色の色素によって守られているのですが、これらの色素は年齢とともに減ってしまいがち。守る力が低下すると、色コントラスト感度が下がり、モノがぼんやり見えるようになります。
※2 色コントラスト感度とは、くっきり見る力のことです。
対策
年齢とともに減少するとの報告※3もあるルテインやゼアキサンチンは、体内で作ることができないので、食事やサプリメントで補うことが大切です。
※3 Obana et al ARVO 2005 Annual Meeting.Program1572
このように、“夜の見えづらさ”の原因は一つではなく、誰にでも起こる身近な要因によって複合的に起こると考えられています。その症状を聞いても、今はピンとこないという方もおられると思いますが、現在お困りの方にとって“夜の見えづらさ”はとても切実です。ロート製薬では、そんな深いお悩みにしっかり向き合い、不安な気持ちを少しでも解消したいと考えています。目薬のパイオニアとして、医薬品だからこその効果を大切に、目の悩みを軽減する商品をお届けできるよう、これからも研究開発を続けてまいります。