※1:使い切りタイプの抗菌性点眼薬においてクロルフェニラミンマレイン酸塩(抗ヒスタミン成分)配合(2023年4月時点PMDAホームページ一般用医薬品・要指導医薬品情報検索、JAPIC一般用医薬品集2023(要指導医薬品を含む)による調査)
まぶたの縁や内側に細菌が感染して起こる目の病気「ものもらい」。まぶたの縁がぷっくり腫れて、かゆい、痛い、コロコロする…そんな辛い症状とともに、見た目にも痛々しく、コンタクトやメイクもできないなど、日常生活に支障をきたしてしまいます。大切な日や集中しなければならない日に、突然ものもらいができて焦った経験がある方も多いのではないでしょうか。
できるものなら、“今すぐ治したい!”
ロート抗菌目薬シリーズから、そんな声に応えるべく開発されたのが「ロートクリニカル抗菌目薬i」です。今回は「ロートクリニカル抗菌目薬i」がものもらいの症状を長引かせる一因である“かゆみ”に着目したこだわりの処方の特徴と、それを実現させた容器の開発秘話について、担当者に語ってもらいました。
<目次>
語ってくれたのは、
企画担当 ロートネーム:かまこ
研究開発担当 ロートネーム:うらん
容器開発担当 ロートネーム:こっしん
「腫れて痛い」「かゆい」といった辛いものもらいや結膜炎を治す、防腐剤無添加※2の1回使い切りタイプの抗菌目薬です。抗菌成分(スルファメトキサゾールナトリウム)に加え、我慢できないかゆみを抑制する成分(クロルフェニラミンマレイン酸塩)を使い切りタイプの抗菌目薬として日本で唯一配合。さらに、抗炎症成分W配合※3で炎症も鎮めます。
※2:防腐剤(ベンザルコニウム塩化物、パラベン)を配合していません
※3:グリチルリチン酸二カリウム、イプシロン-アミノカプロン酸
販売名:ロートクリニカル抗菌目薬i
ものもらい、結膜炎(はやり目)に 第2類医薬品
企画担当 ロートネーム:かまこ
ものもらいの症状には、まぶたの腫れや痛みに加えてかゆみを生じる方がとても多いのですが、かゆいと手で触ったり、掻いてしまったりすることで、より症状を悪化させて治りが悪くなってしまいます。この悪循環を防ぎ、症状を長引かせないためには、早いうちからかゆみに対処することが重要です。
しかし、開発当時、かゆみ抑制成分が配合されている1回使い切りタイプの抗菌目薬はどこにもありませんでした。そこで、1日でも早く症状が治るよう、かゆみ抑制成分を配合した1回使い切りタイプの抗菌目薬の開発がスタートしました。
研究開発担当 ロートネーム:うらん
「ロート クリニカル抗菌目薬i」は、ものもらい・結膜炎の繁殖する原因菌に抗菌力を発揮する抗菌成分(スルファメトキサゾールナトリウム)に加えて、1回使い切りタイプの抗菌目薬として日本で唯一、かゆみ抑制成分(クロルフェニラミンマレイン酸塩)を配合した処方となっています。さらに、炎症を鎮めるのに抗炎症成分(グリチルリチン酸二カリウム、イプシロン-アミノカプロン酸)をWで配合しました。そして、これら抗菌成分・かゆみ抑制成分・抗炎症成分(グリチルリチン酸二カリウム)は基準※5内最大濃度配合しています。また、製剤が患部に長く留まる処方工夫もしています。
※4:かゆみ抑制成分(クロルフェニラミンマレイン酸塩)配合
※5:基準とは厚生労働省が承認事務の効率化を図るために定めた医薬品の範囲
また、「かゆい、掻きたい…!」というお客様の辛い気持ちに寄り添い、メントールを低濃度配合することで、“すっきり気持ちのよい点し心地”にしている点にもこだわりがあります。実は使い切りタイプの目薬にメントールを配合することも、長年難しいとされていたのですが、この「ロートクリニカル抗菌目薬i」にはなんとしても配合したいと粘りました。
こうして「腫れて痛い」「かゆい」といったものもらいの辛い症状を治すこだわりの処方が完成したのですが、1回使い切りタイプの目薬として製品化するためには、容器に大きな課題が残っていました。
研究開発担当 ロートネーム:うらん
抗菌目薬は症状があるときにだけ使用するため、開封後の雑菌による汚染の心配が少なく衛生的な1回使い切りタイプが大変便利です。ですが、従来の使い切りタイプの容器には“成分が吸着してしまう”という難点がありました。理想的な処方を開発しても、容器に一部の成分が吸着してしまうと、効果やすっきりとした使用感が失われてしまいます。そこで、便利さと効果の両立を目指し、容器開発部門と連携して成分が吸着しない新素材を使った容器開発が始まりました。
容器開発担当 ロートネーム:こっしん
成分を吸着しない既存の素材を用いて容器を作っただけでは、ものすごく硬い容器になってしまい、容器を押しての点眼がしづらいものでした。既存のものでは上手くいかないということは、新たな素材探索からのスタートです。そして着目したのが「COC」という新素材。この「COC」を中心に素材を組み合わせ、多層構造の容器を立案しました。しかし、これまでに使ったことのない素材であるため、素材の供給メーカーには「うまくいかない可能性が高いと思うので、素材はお売りできません。」と断られ、容器成形機メーカーも開発にとても消極的でした。ですが「少量で良いので何とかお願いします!」と粘って100kgだけ販売してもらい、なんとか試作を重ねることができました。また、成形機メーカーにはCOCという素材の性状を理解してもらえるよう予備的な実験を数多く行い、徐々に協力いただける関係性を築いていきました。
こうして新素材の探索を始めてから苦節8年、容器の押し心地が良く、成分を吸着しない1回使い切りタイプの容器開発にようやく成功しました。
この“成分を吸着しない”容器開発に成功したからこそ、日本で唯一、1回使い切り抗菌目薬にかゆみ抑制成分(クロルフェニラミンマレイン酸塩)を配合することができ、難しかったメントールによる“すっきり気持ちのよい点し心地”を可能にしました。
企画担当 ロートネーム:かまこ
研究開発担当 ロートネーム:うらん
容器開発担当 ロートネーム:こっしん
ものもらいになると、仕事や勉強に集中できなかったり、いつものメイクやコンタクトができなかったりと日常生活がつらくなりますよね。大事な予定があったりすると、余計に早く治したいものです。そんなものもらいに悩むお客さまの気持ちに寄り添いに、ロート製薬は長年抗菌目薬の研究開発をすすめてきました。
防腐剤無添加※2の1回使い切りタイプで、“抗菌×抗炎症×痒み抑制”を実現した「ロートクリニカル抗菌目薬i」は大人から子供※6までお使いいただける目薬です。今すぐ治したい!に備えて薬箱に常備しておいて、いざという時に頼れる存在になればとても嬉しいです。
※6:小児に使用する場合には保護者の指導監督のもと、使用してください