私たちが日常生活で何気なく使っている商品たち。そこにはたくさんの「品質を保つ」こだわりがつまっているのをご存知ですか?
商品がお客さまの手元に届くまで、実は色々な品質のチェックがあるんです。なぜなら、“安心して、心地よく使ってもらいたい”、“お客さまが求める効果に応えたい”から。
今日は、商品の品質を保つために日々奮闘しているロート製薬の品質の最後の砦「品質統括部」のお話です。
<目次>
品質とは、「品物の質」のことですが、その“質”を保つためにはいろいろなチェックがあるんです。
もちろん製品開発の段階で、しっかり品質が担保できるように設計されています。でもいざ実際生産してみて、本当に品質設計した商品がその通りにできているか?それをきちんと、工場で生産するロット毎に確認する必要があるのです。そこを担っているのが、ロート製薬の「品質統括部」。
原料の段階から、何度も品質のチェックを行い、最後に、製品としてしっかり品質が保たれている!と合格しない限り、決して世の中に出ることはないのです。つまり「最後の砦」。それほど大きな役割を果たしているのです。
特に、医薬品では、厳しい基準があります。
医薬品は製品としての承認と各種許可がないと製造販売することができません。そもそも製品開発も非常にハードルが高く、効能効果や、品質の担保はもちろん製品設計の段階でも行われています。そこを担っているのが、品質設計センターです。
ただ、実際に工場で生産された製品での品質の保証は、また別のこと。
なぜなら、実際の製品の品質が担保されるということは、製品を作るひとつひとつの原料、紙箱や容器などの資材、生産する設備や空気などの環境と、「完成するまでのすべての工程において、品質が担保されて初めてクリア」できるからなんです。
販売名:Vロートプレミアム
第2類医薬品
目の疲れに
では実際に「Vロートプレミアム」という目薬の例で見ていきましょう。
目にダイレクトに届く“目薬”は、直接目に触れるものであるからこそ、非常に品質ハードルも高い製品です。
非常に神経を使う目薬の製造ですが、品質を担保するためにもあらゆる角度からチェックをしています。
①原料の試験
ロート製薬の上野テクノセンターで受け入れている原料は1,500種類ほどあり、1日約20~30原料の検査を実施しています。原料毎に試験項目や試験方法が定められており、この検査はロート製薬の基準を合格した資格者が実施しています。試験の種類も約50種類もあるんですよ!
ここで原料試験に合格すると、生産へと原料が渡されます。
Vロートプレミアムには、12種類の有効成分が配合されていますが、有効成分以外の原料もすべて試験を実施しています。
<担当者のこだわりポイント>
原料試験グループ:ロートネーム ふくちゃん
製品の品質を守るためには、使われる原料の品質が大事です。自分たちの検査を通して、原料不良がない状態を作っています。この検査は製品化の出発点!品質保持のための、最初の砦だと思って仕事に取り組んでいます!
②資材の試験
製品一つをとっても、キャップ、ボトル、内蓋部分、紙箱など、パーツごとに別々に工場に納品されます。
Vロートプレミアムは、点眼瓶、キャップ、ノズル、ピローフィルム袋、紙箱、添付文書、ラベル、POPラベルと様々な資材が必要です。それぞれ一つ一つをチェックし、印字や、色の確認、寸法、組み立てなどあらゆる角度から検査しています。
<担当者のこだわりポイント>
資材試験グループ:ロートネーム やまきょう
紙箱などのパッケージは、単にデザイン性ということではなく、必要な情報がたくさん書かれています。仮に文字欠けなどがあった場合、正しい使用方法が分からなかったり、お客さまへのリスクにもつながってしまいます。また容器に傷などがあった場合も、途中で割れてしまう可能性もあり、それぞれの資材についても細心の注意を払って検査しています。
③微生物の試験
微生物による汚染のリスクを確認する評価のことで、無菌試験、資材、製造の各工程で微生物検査を行っています。
Vロートプレミアムでは、目薬は目に入れるものなので、無菌(菌がまったくいない状態)であることが大前提です。
無菌を維持するためには製造環境の管理も大切です。例えば工場の空調フィルターの検査も定期的に行って、生産現場の空気までしっかりチェックをしているんですよ。目薬に使われる水はもちろん、容器などの資材の無菌検査もとても大切です。
<担当者のこだわりポイント>
微生物試験グループ:ロートネーム たけ
仕事で常に微生物と向き合っているため、普段の生活から微生物が発生する環境には敏感です。例えば、一般的になってきたシャンプーやボディソープ、化粧品の詰替え容器ですが、微生物対策には“換気と乾燥”が一番!だから使い続けるためにも、詰め替える前には容器を洗って、しっかり乾かすことが大切です!
④製品の試験
工場で生産された製品を、最終的にお客さまへ販売してもよいか?を判断しています。
医薬品であれば有効成分の定量評価や、使用感評価、長期使用する場合の品質の確認なども行っています。
Vロートプレミアムでは、キャップの開けやすさなど実際のお客様の使用場面を想定した品質の試験なども行っています。
<担当者のこだわりポイント>
製品試験グループ:ロートネーム ひろき
数値的な評価はクリアしていても、実際に何ロットも生産を続けていると、少しずつ数値のズレが生じてしまうこともあります。そのような傾向を一早くつかんで、より安定して生産し続けることができるようにする仕事も担っています。妥協しない心をもって常に品質と向き合っています。
⑤毎回同じ品質を保証するために
品質にバラつきがあるとお客さまの信用を得られません。“毎回同じ品質の製品”を作り続けることも重要です。誰が行ったとしても同じ品質の製品ができるよう、手順書や基準書などの管理や、また設備がきちんと動くかの検証なども品質統括部の役割です。
あってはいけないことですが、仮に、定められた手順と異なる作業をしてしまったときの対応なども、品質統括部で厳しく管理しています。
ロート製薬の国内生産の目薬は、三重県にある上野テクノセンターで生産されています。
容器へ充填された目薬にキャップが取り付けられ、組み立てられた箱の中に目薬を入れて、POPシールを貼り付けるという一連の流れで出来上がりますが、これを1分間に250個製造できる超高速な生産ラインなんです。最大1ロット15万個も生産できます。
ロート製薬は医薬品だけではなく、医薬部外品、化粧品なども製造販売しています。
医薬品の知見を化粧品の管理にも活かしているのはロート製薬の強みでもあるんですよ。
例えば、医薬品と同様の清浄度で製品は製造されていますし、水に関しても医薬品でも使用されるグレードの水を使用して製造しています。
資材試験グループ:ロートネーム やまきょう
品質を保証するために様々な機器を用いて試験をしますが、やっぱり担っている“人”も大切だと思うんです。それぞれのグループや部署が仕事に責任をもって、品質を担った結果、お客さまに初めて製品をお届けすることができ、それが私たちのプライドであり、使命だと思っています。
例えば、常に新鮮な気持ちで仕事に向かうために、毎日1つずつ学びを共有しあい、常に意識を高める努力をしています。どんな些細なことでも、共有することでリスクを防げることもあるからです。
製品としてだけではなく、その前段階の原料や、資材などについてもしっかり品質を確認しており、1つ1つの仕事は、どの1つが欠けても成り立ちません。すべてはお客さまのために!この気持ちを持ち続けて、これからもロート製薬の品質を高めていけたらと思います。
このように、何気なく当たり前のように使っている製品でも、実は多くのロート社員が色々な視点でしっかり品質をチェックして、正しく生産されていることを確認しています。
この紙箱一つ、容器一つ、すべてにおいて、品質を保つための努力が詰まっているのです。「すべてはお客さまのために」という想いをぎゅっと込めて。
お客さまが、どの製品を手にとっていただいても安心して使い続けていただけるよう、これからもロート製薬は品質を守り続けていきます。
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