1995年にデビューした「ロートCキューブ」は、コンタクトレンズ(以下:レンズかコンタクト)をつけた瞳を快適にサポートするブランド。「もっとクリア(Clear)に、瞳にやさしく(Care)、快適(Comfort)に」の“3つのC”にこだわった商品開発で、幅広いコンタクトケアアイテムをお届けしてきました。中でも、多くのお客様にご支持いただいてきたのが、「ロートCキューブ」スタンダードシリーズ。レンズを装着した乾きやすい瞳のために、レンズをしっとり包み込み、不足しがちなミネラルを補って、瞳の乾きや疲れを癒すコンタクトレンズ用目薬です。そのうるおい感に加えて、容器のかわいさでも人気を集めた商品が、処方もパッケージも一新!より心地よく、よりエコな目薬へと進化しました。今回は、今までの技術では叶わなかったその新処方をじっくり深掘り。担当者の熱い想いとともにお伝えします。
※従来品比
コンタクトレンズをつけたまま点眼できる「ロートCキューブ」は、コンタクトの瞳を快適に保つための目薬です。涙の蒸発によって失いがちなミネラル※1を補って、乾きや不快感を解消しながら、うるおいのクッションとなるポビドン※2がレンズとまぶたの摩擦を軽減。うるおいベール(ポロクサマー※3)がレンズを包み込み、乾きがちなコンタクトの瞳に心地いい“うるおい感”をもたらします。また新たに、うるおいとの両立が難しかった“防腐剤無添加※4”も実現しました。さらに、処方と同時にパッケージもリニューアル。環境負荷を減らすよう、エコ包装にシフトして、より快適で・よりエコな目薬へと進化しました。
※1 塩化カリウム、塩化ナトリウム、塩化カルシウム水和物
※2 添加物:粘稠剤
※3 ポリオキシエチレンポリオキプロピレングリコール(添加物:溶解補助剤)
※4 防腐剤(ベンザルコニウム塩化物、パラベン)を配合していません
語ってくれたのは、
企画担当 ロートネーム:あっこさん
開発担当 ロートネーム:たくさん
―人気だった「ロートCキューブ」スタンダードシリーズをリニューアルした理由は?
企画担当 ロートネーム:あっこさん
コンタクトレンズは日々進化を続けていて、現在のレンズはとても高性能。そのうえ、使い捨てのワンデータイプが増えていることもあって、昔と比べて不具合は減っていると思います。ただし、レンズを装用しているとどうしても瞳が乾きやすいので、うるおいは必要。とすると、コンタクトユーザーの皆さんは、「必要なうるおいさえあれば十分」と感じているのではないかと考えたんです。
でもロート製薬としては、そんなお客様にこそ、こだわって「ロートCキューブ」を選んでいただきたい!
そこで、改めて「シンプルにうるおいを求めるユーザーにとって、最適なコンタクトレンズ用目薬とは何か?」を見つめ直し、考えた結果、「いろいろな機能を詰め込むよりも、本当にコンタクトレンズの瞳に必要なものだけを厳選し、最小限の要素で目薬を作る」という結論に至りました。そうして“最小限の要素で必要なうるおいを叶える”ことを追求し、たどり着いたのが“うるおいの基本機能の最適化”だったのです。
―“うるおいの基本機能の最適化”ってどういうこと?
開発担当 ロートネーム:たくさん
分かりやすく言うと、成分や濃度を最小限に抑えながら、今までと変わらないうるおい感を実現することです。これがなかなか大変でした。なにしろ、“最小限の成分”にするために、防腐剤を使わないという選択肢を選んだのですから。うるおい感は維持したいのに、防腐剤は使わない。この両立に悩まされましたね。
―“うるおい感”と“防腐剤無添加”の両立は、どうして難しいのですか?
瞳にうるおいを与えるような成分や瞳の栄養となるミネラルなど、瞳にいい成分は、菌にとってもいい成分なんです。つまり、それらの成分を配合している「ロートCキューブ」は、瞳にいい反面、菌にとってもいいものということ。従来の技術では、防腐剤を配合せざるを得なかったのです。
しかも、うるおい感と防腐剤無添加の両立だけでも難しいのに、「ロートCキューブ」はコンタクトレンズ用目薬なので、瞳だけでなくレンズに関しても安全性を担保しないといけない。何重もの条件をクリアするのに、とても苦労しました。
―それをどうやって実現したのですか?
防腐剤無添加で、コンタクトレンズ用目薬として瞳にもレンズにも安全性を担保できて、うるおい感がしっかりある。
そんな理想の処方を叶えるために、様々な成分の組み合わせを検討しました。うるおいに関わる成分はそのまま残し、試作品を作って試験を繰り返すこと数十回。その結果、やっと理想的な成分の組み合わせを見つけても、今度はコンタクトレンズへの影響を調べなくてはいけません。そうしてさらに試験を重ね、最終的には100を超える試作を経て、理想の処方=新技術※5を確立することができました。
企画担当 ロートネーム:あっこさん
実は、その新技術にたどり着いたのは、コンタクトレンズの製造販売も行うロート製薬ゆえの着眼点があったからなんですよ。レンズ側で得た最新の知見や技術を目薬に活かし、検討を繰り返しながらたどり着いた新技術※5によって、安全性をクリアすることができました。
※5 ロート製薬内で
―今回のリニューアルに、エコアクション(環境配慮)を加えたのはどうして?
近年、世界的に環境意識が高まっています。特に「ロートCキューブ」をご支持いただくような若い世代にとって、環境問題は自分ごととしてとらえやすく、日常の中でも「環境に配慮したものを選びたい」と考える傾向が高まっているようです。
既に化粧品や食品などではエコアクションが当たり前になりつつありますが、医薬品はまだまだ行動に移せていないのが現実。法的な規制や品質上の理由もあって難しいのは事実ですが、目薬のリーディングカンパニーとして、まずは私たちが取り組まなければと考えました。
―今回取り組んだ3つのエコアクションとは?
自然にやさしいエコ包装を目指して、取り組んだのがこの3つです。
※6 当社従来品比
文字にすると簡単そうに見えるかもしれませんが、“目薬”という、医薬品の中でも特に高い配慮が必要とされるアイテムで実現するためには、細心の注意が必要なんです。
中でも一番悩んだのが、日本で初めて目薬で取り組んだ、②の「添付文書レス」です。今まで紙に書いて同封していた添付文書を、箱の裏にプリントすることになると、お伝えすべき大切な内容が目に入らないのでは? と心配で…。食品やお菓子など、様々なジャンルの商品の紙箱記載を研究したんですよ。試行錯誤の末に仕様を決めてからもまだ心配で、「このデザインで大丈夫?」「ちゃんと分かる?」と、たくさんの人に見てもらって、やっと決定することができました。
開発担当 ロートネーム:たくさん
“防腐剤無添加”で“しっかりとしたうるおい感”を実現した「ロートCキューブ」は、これまで支持してくださったお客様にも、初めて手にする新しいお客様にも満足していただける点し心地に仕上がりました。こだわりのうるおい感で、より多くの方々の瞳を快適にできればうれしいです。
企画担当 ロートネーム:あっこさん
快適なコンタクト生活の一助となるよう、コンタクトの瞳に必要なうるおいだけを追求した“新しいうるおい感”をぜひ実感してくださいね。