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2023/09/13

肌の老化炎症を食い止める!?セラミドコンプレックス※1の可能性

※1:ジヒドロキシリグノセロイルフィトスフィンゴシンとセラミド6IIの混合物をナノエマルション化した原料

肌の老化炎症と聞くとどのようなイメージがありますか?
肌老化の原因は、加齢や紫外線によるダメージなどさまざまですが、近年は「慢性的な炎症」が起こっていることがエイジングの根本の原因であると注目が集まっています。
今回は、この“老化炎症”について詳しく解説していきます。

燃え広がる、老化炎症とは

燃え広がる、老化炎症とは

“老化炎症”とは、老化細胞による慢性的な炎症のことです。肌の細胞レベルでは、①加齢によって老化細胞が蓄積→②老化細胞が炎症を周囲の細胞に広げる→③細胞の老化が進行し、炎症が慢性化、という流れで炎症が進行していきます。
この一連の炎症をロート製薬では“老化炎症”と呼んでいます。

紫外線などのダメージが蓄積して細胞が分裂を停止すると、通常は細胞自ら死んで壊れていきます。または免疫細胞に貪食されます。ところが、中には死なずにそのまま皮膚の中に溜まっていくものがあるんです。これが一般的に「老化細胞」と呼ばれています。

老化細胞は、年齢を重ねた、例えば高齢者にだけあるものではなく、若い方にも、赤ちゃんにだって存在すると言われています。実はこの老化細胞が火種になるのです。

老化細胞は、様々な炎症性タンパク質「SASP(サスプ)因子」を分泌します。すると、炎症の司令塔のような働きをしている「NF-kB」(エヌエフカッパービー)が活性化し、周囲の正常な細胞にも炎症を広げてしまうといわれています。
まるで、火が周りに燃え広がるように、この老化細胞が火種となり、炎症がどんどん広がり老化を蓄積させ、伝播させてしまうのです。だからエイジングの根本の原因ともいわれているのです。

老化炎症って、赤くなったりヒリヒリするの?

老化炎症って、赤くなったりヒリヒリするの?

老化炎症は、赤くなったりヒリヒリしたりするのか?気になりますよね。答えはNOです。必ずしも、赤みやヒリヒリを感じるわけではありません。
この老化炎症は老化細胞による慢性的な炎症のことで、いわゆる、赤みやヒリヒリなど感じる急性の炎症とは異なります。あくまでも目に見えない肌の中で起きていることで、かつ、自分で痛みを体感することがなく、知らない間に進行しているものです。

慢性炎症も、若いうちは、肌本来の修復作用(修復機能)によりある程度リセットされると考えられます。
しかし、加齢によりそのバランスが崩れることで、慢性炎症の影響が“肌”に現れ始めると言われています。


例えばバリア機能が乱れたり、メラノサイトが刺激されシミやくすみの原因となったり、真皮では、コラーゲンやエラスチンなどがダメージを受け、しわやたるみの原因につながるのです。

肌トラブル、エイジング症状の根底にある「慢性炎症」「老化炎症」を食い止めることは、エイジングケアをするうえでとても大切なことであり、すべての人に必要なことだと考えています。

新知見!エイジングケアにおける“セラミド”の可能性

健康な肌には欠かせない成分であるセラミドは、もともと自分の肌の中にある成分。ロート製薬は肌にとって大切な役割を持つセラミドの可能性をさらに探求すべく、研究を進めています。

その研究過程で、醤油の発酵粕から精製した、“天然由来のセラミド”に着目しました。
そして、ロート製薬独自のセラミド混合物※2をナノ化したセラミドコンプレックス※1が老化細胞によって引き起こされる炎症を抑制する可能性を確認することができました。

肌の中で起きる慢性的な炎症が、老化を加速することが知られており、セラミドの抗炎症作用は、老化に対する新たなアプローチとして期待されます。

※2:ジヒドロキシリグノセロイルフィトスフィンゴシンとセラミド6IIの混合物

慢性炎症を抑制!ナノ化セラミドコンプレックス

慢性炎症を抑制!ナノ化セラミドコンプレックス

ロート製薬の研究により、ナノ化したセラミドコンプレックスは、老化を加速させるSASP因子の分泌を抑える作用と、NF-kBの活性化を抑える作用が確認できました。
老化細胞の周辺に炎症が燃え広がるのを防ぎ、老化の伝播を食い止めます。健やかな肌を維持することに貢献します。

実はセラミドは水にも油にも溶けにくい難溶性の物質です。よって処方にも制約があります。しかし高圧ナノ化処理をすることで、機能を保ったまま、今まで配合が難しかった美容液や化粧水などの非乳化系剤形にも配合することが可能になったことも大きな進歩の一つと言えます。

<セラミドってなに?>

セラミドとは、私たちの肌の中にもともと存在する成分です。肌の角質細胞の間を埋める「細胞間脂質」の約50%を占めるのがセラミド。
セラミドは、水分保持機能を持ち、肌のうるおいを保つためにとても大切。外部刺激から肌を守るバリア機能としてもポイントの成分なんです。
健康な肌を保つためにとても大切な役割をしている「セラミド」ですが、実は、年齢とともに減少してしまうことも分かっています。

セラミドは、今まで水分保持機能やバリア機能を守ることが一般的に知られていますが、まだまだ可能性を秘めた成分であり、今後も研究が期待されています。

ロート製薬の研究により、ナノ化したセラミドコンプレックスは、抗炎症効果があることも確認されています。

慢性炎症を抑制!ナノ化セラミドコンプレックス
スキンケア

いかがでしたか。エイジングというと多くの方が関心を寄せる言葉だと思いますが、その原因の根本ともいえる「慢性炎症」「老化炎症」について今回はお伝えしてきました。
目に見えない、体感できない炎症だからこそ、知らない間に炎症が燃え広がり、老化が細胞に伝播するのは怖いですよね。
しかし、ロート製薬では抗炎症作用というセラミドの新たな作用を見出しました。これからもセラミドの可能性を探求し、今後も真摯に研究開発を進めて参ります。