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2025/06/11

【子どものスキンケア特集:第2弾】 知っておきたい子どもの肌トラブル ~あせも・湿疹・かゆみ~

子どもの肌はとてもデリケート。汗やちょっとした刺激だけでも、あせもや湿疹、かゆみといった肌トラブルが起こりやすくなります。
「これくらい大丈夫かな?」と様子を見ているうちに、かゆみがひどくなってかきこわしてしまうことも…。
そこで【子どものスキンケア特集:第2弾】として、子どもに起こりやすい肌トラブル(あせも・湿疹・かゆみ)の原因や特徴、家庭でできる予防とケアのポイントについて、わかりやすくご紹介します。
肌トラブルをくり返さないためにも、正しい知識を身につけて、お子さんのすこやかな肌を守っていきましょう。

なぜ子どもはできやすい?知っておきたい「あせも」のポイント

― あせもの原因と特徴

小さなブツブツや赤みが生じるあせも。汗をかいたとき、汗を出す管(汗腺)が詰まり、皮膚の中に汗がたまることで炎症が起こる皮膚トラブルです。医学的には「汗疹(かんしん)」と呼ばれています。
身体のなかであせもができやすいのは、首や背中、肘の内側、膝の裏など、汗腺が多い部位や汗がたまりやすい部位です。

【あせも注意ゾーン】

あせも注意ゾーン

特に赤ちゃんや小さな子どもは、汗を出す汗腺がまだ未熟なため、たくさん汗をかくと汗腺が詰まりやすく、あせもができやすいのです。さらに、汗をかいたままにしておくと皮膚の上で細菌が繁殖しやすくなり、症状が悪化することもあります。

あせも注意ゾーン

― あせもの予防法

・汗をかいたらこまめにふき取り、できるだけ乾いた状態を保つ
・濡れタオルで汗の成分をふき取るのもおすすめ
・通気性の良い服を選ぶ
・汗をかきすぎないよう、室内の温度と湿度を適切に保つ

あせもの予防法

― あせもができてしまったら

まずは肌を清潔に保ち、なるべくかかないように、触れないように心がけましょう。
軽度であれば、正しいスキンケアをつづけていれば自然と良くなることがほとんどです。
かゆみや赤み、ヒリヒリ感がある場合は、炎症を鎮めるお薬を塗ってあげるのもよいでしょう。

あせもができてしまったら

数日たっても改善しない場合や、かゆみや赤みが強い場合、かきむしってしまい汁が出ているようなときは、皮膚科を受診して治療してもらいましょう。

見過ごさないで!子どもの「湿疹」に潜むさまざまなリスク

― 湿疹の原因と特徴

湿疹とは、皮膚にかゆみが出て、赤みやぶつぶつなどの症状があらわれる状態のことをいいます。湿疹にはいつくかの種類があり、原因もさまざまですが、大きく分けると、外からの刺激による「外的要因」と、体質や体調などによる「内的要因」があります。これらの要因は単独で作用することもありますが、しばしば複合的に関与し、症状を誘発または悪化させることがあります。

【外的要因】
例:アレルゲン、薬剤、化学物質、金属、日光、締め付けによる圧迫、細菌、虫など。

【内的要因】
例:アレルギー体質、アトピー素因、疾患、バリア機能の低下など。

子どもは皮膚が薄く、バリア機能が未熟なため、外からの刺激や細菌の影響を受けやすく、湿疹ができやすいのが特徴です。また、子どもの免疫(体を守る力)も発達の途中にあるため、炎症を起こす物質が多く出やすく、症状がひどくなりやすい傾向があります。

湿疹の原因と特徴

― 湿疹の予防法

・こまめに保湿を行い、肌のバリア機能を整える
・肌に直接触れる衣類は、綿素材など肌に優しいものを選ぶ
・ダニやホコリなど、アレルゲン対策として部屋をこまめに掃除する

― 湿疹ができてしまったら

症状が軽ければ、市販のかゆみや炎症を鎮めるお薬を塗ってあげましょう。

湿疹ができてしまったら

ただし、症状が強い場合や、お薬を塗っても改善しない場合は、皮膚科を受診して治療してもらうことが大切です。
湿疹の状態は写真に残しておくのもおすすめです。原因に心当たりがある場合は、あわせてメモをしておくと、医師に相談するときに役立ちます。

※発熱や全身症状を伴う場合は、皮膚トラブルではなく、別の病気が原因かもしれません。皮膚科だけでなく、内科の受診も視野に入れましょう。
なかには、早期の治療が必要な重大な病気の場合もあるので、お子さまの様子をよく観察し、できるだけ早く医療機関を受診してください。

子どもの頃の湿疹がアレルギーの引き金に⁉

乳児期にアトピー性皮膚炎を発症している赤ちゃんが、その後、食物アレルギーや気管支喘息、アレルギー性鼻炎など、ほかのアレルギー症状を次々と発症していくことがあります。これを、まるでアレルギーが行進するかのように広がっていくことから、「アレルギーマーチ」と呼ばれています。
その背景には、肌のバリア機能が弱まった状態が続くことで、外からアレルゲン(アレルギーの原因物質)が入り込み、免疫の過剰反応が広がってしまうためと考えられています。

将来のアレルギー発症リスクを減らすためには、赤ちゃんや子どものうちに湿疹や肌トラブルをきちんとケアし、皮膚のバリア機能を守ることがとても大切です。
「ちょっとした湿疹だから…」と軽く考えず、長引く場合や悪化しやすいときは、早めに皮膚科医に相談しましょう。

子どもの頃の湿疹がアレルギーの引き金に⁉

子どもはがまんできない!ツライ「かゆみ」の悪循環

― かゆみの原因と特徴

かゆみは、皮膚・免疫細胞・神経がやりとりをしながら起こる、とても複雑な現象です。
たとえば、アレルギーの原因になる物質が皮膚に触れると、皮膚の細胞が「危ないよ!」というサインを出します。このサインが免疫細胞や、皮膚に張りめぐらされた神経に伝わり、脳に「かゆい!」と知らせるのです。
子どもの皮膚は薄く、バリア機能もまだ未発達。
さらに、かゆみを感じる神経が皮膚の表面近くにたくさんあるため、ちょっとした刺激でもかゆみを強く感じやすいのです。
そのため、ついかき壊してしまい、さらに症状が悪化してしまうこともあります。

かゆみの原因と特徴

― かゆみの予防法

・こまめに保湿を行い、肌のバリア機能を整える
・かきむしりを防ぐため、爪を短くしておく

― かゆみが生じたときは

症状が軽ければ、市販のかゆみを鎮めるお薬を塗ってあげましょう。
また、冷やすことや保湿をすることで、かゆみが和らぐこともあります。
強いかゆみが続くときや、広範囲にかゆみが広がる場合は、早めに医師に相談しましょう。

かゆみが生じたときは

薬局で迷わない! あせも・湿疹・かゆみに効く成分ガイド

今回、ご紹介した肌トラブル(あせも、湿疹、かゆみ)に役立つ、市販の外用薬のおすすめ成分を一覧にまとめました。
薬局で市販薬を選ぶ際の参考に、ぜひご活用ください。

成分名 働き
プレドニゾロン吉草酸エステル酢酸エステル アンテドラッグステロイド。
患部で効果を発揮し、体内に吸収されると分解して、低活性の物質にかわるステロイド成分です。炎症を抑える働きがあります。
ジフェンヒドラミン 抗ヒスタミン成分。
かゆみを抑える働きがあります。
クロタミトン 鎮痒作用のある成分。
強いかゆみを抑える働きがあります。
トコフェロール酢酸エステル ビタミンEの一種。
組織修復を助ける働きがあり、かき壊しに有効です。
アラントイン 組織修復を助ける働きがあり、かき壊しに有効です。
イソプロピルメチルフェノール 殺菌成分。
細菌やカビの繁殖を抑えます。
グリチルリチン酸 甘草(カンゾウ)から抽出される成分。
炎症を抑える働きがあります。
酸化亜鉛 皮膚を乾かす働きがあり、あせもに有効です。

いかがでしたでしょうか。
子どもの皮膚は、大人に比べて守る力が弱く、外からの刺激にとても敏感。だからこそ気をつけたい肌トラブル。正しいケアで予防と早めの対処が大切です。
困ったときは、ひとりで悩まず、専門家の力も借りながら、一緒に子どもの肌を守っていきましょう!

最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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回答期限:2025年7月31日(木)23:59まで

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