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2020/07/08

【妊娠カレンダー】胎児の成長過程とママの体はどう変わるのかを知ろう!

クリニックで妊娠の確定診断をもらい、妊婦健診で成長する赤ちゃんの様子を見たら、お腹の中に赤ちゃんがいるんだと、さらに実感しますよね。

小さな命の結晶が「とつきとおか」と呼ばれるおよそ10カ月、ママのお腹の中で成長し、オギャーと産声をあげて誕生するんです。

今回は妊娠中どのようにママの体が変化し、赤ちゃんがお腹の中で成長するのかについてのお話です。

妊娠超初期(1週から3週目)の胎児の成長過程とママの体の変化

まずは、妊娠していることにあまり気付かない時期、妊娠超初期の胎児の成長過程とママの体の変化をお話します。

♥妊娠0週目

最後の生理が始まった日を妊娠0週0日として、妊娠週数を数えます。

ママの体はまだ妊娠していないので、とくに変化はありません。いつもどおり、生理がきているだけです。

♥妊娠1週目

排卵の準備をしている時期です。

ママの体は生理が終わったばかりで、とくに大きな変化はありません。体のなかでは卵巣で卵胞が育つホルモンが分泌されています。

♥妊娠2週目

妊娠2週目は排卵日を迎えます。このタイミングで出会った精子と合体し、受精卵ができます。

ママの体のなかでは、受精卵が1日1回くらいのペースで細胞分裂をしながら卵管を通り、5日ほどかけて子宮へ移動します。

♥妊娠3週目

妊娠3週目になると、受精卵が着床して妊娠します。妊娠8週未満の赤ちゃんは「胎芽(たいが)」と呼び、1mmくらいの大きさです。

ママの体では赤ちゃんを育てるために胎盤、へその緒、絨毛(じゅうもう)などが作られ始めています。眠気や吐き気、だるさなどの、今までとは違う体調の変化を感じ始める人もいるかもしれませんね。

妊娠中に気を付けたいこと

妊娠超初期(1週から3週目)に気を付けておきたいことを紹介します。

葉酸を摂取しよう

葉酸は赤ちゃんの発育に欠かせません。妊娠中に葉酸不足にならないように、サプリメントなどで積極的に摂取してくださいね。

タバコは止めよう

タバコを吸うと赤ちゃんの発育に影響を与えてしまうので、妊娠したら禁煙しましょう。ほかの人が吸ったタバコの煙からも影響があります。家族にタバコを吸う人がいるなら、いっしょに禁煙してくださいね。

飲酒も止めよう

妊娠中の飲酒は止めましょう。妊娠中の飲酒は、出生時の低体重、栄養障害や難聴などを起こす「胎児性アルコール症候群」の発症に関係すると言われています。
飲酒量が多いと発症リスクが高くなるので、妊娠中は絶対に飲酒をしてはいけません。

薬の服用は医師などに相談しよう

この時期までに服用した薬が赤ちゃんへ影響することは、ほぼないと言われています。ただし、妊娠の可能性があるなら、病院や薬局でその旨を伝えておきましょう。

妊娠初期(4週から15週目)の胎児の成長過程とママの体の変化

妊娠2カ月目以降は、妊娠に気付く人が多くなります。この時期の胎児とママの体はどのように変化していくのでしょうか。

♥妊娠2カ月(4週〜7週)

妊娠2カ月に入ると、赤ちゃんは身長約8~16mm、体重約1~4gに成長します。

超音波検査で、赤ちゃんが入った袋「胎のう」が見え始めます。おなかの赤ちゃんの中枢神経や内臓、目や耳などの器官がつくられる大切な時期です。

6週頃には超音波検査で心拍も確認できるようになりますが、まだまだ心臓が完成する途中なので、はっきりとした心拍が確認できないこともあります。また、手足、目や耳の原型ができ始めます。

7週に入ると、赤ちゃんは人間らしい形に。丸まっていた体は伸び、頭と胴体とに分かれて2頭身になります。脳や脊髄の神経細胞のおよそ8割が作られ、羊水が溜まり始めます。

また妊娠初期に出血することがあります。とてもびっくりするかもしれませんが、珍しいことではありません。しかしトラブルの兆候であるケースもあるため、少量でも出血があった場合は自己判断せずに、医師に相談して適切な処置を受けましょう。

早ければ4週目くらいから「つわり」が始まります。生理がこなくなり、基礎体温は高温期が続きます。便秘、眠気、熱っぽさといった体調の変化で、妊娠を自覚するかもしれませんね。

でも、現れる症状には個人差があるので、2カ月目は妊娠したと気づかないことも。服用した薬やレントゲンの影響が最も出やすい時期なので、注意しましょう。

♥妊娠3カ月(8週〜11週)

妊娠3カ月になると、赤ちゃんは身長約13~60mm、体重1~15gくらいにまで成長します。主な器官は終わっていますが、口のなかや性器の形づくりは続きます。

頭・胴・手足など人間らしい姿になってきます。妊娠8週目には、赤ちゃんの手足が伸びて3頭身へと変化。さらに肝臓、胃、腎臓などが働きだします。

妊娠9週間には腕や足の基本的な形ができて、妊娠10週目には手足を動かせるようになります。超音波検診では、手足をパタパタと動かすかわいい様子なども見れるかもしれませんよ。

妊娠11週目には、まぶたや耳たぶ、くちびるや鼻の穴、下あごができて、人らしくなってきます。

一般的に妊娠3カ月を超えれば早期流産の可能性が低くなると言われています。

胎児の心拍が確認できた頃、医師から母子手帳をもらうように言われます。役所などで医師からもらった「妊娠届」を提出すると交付されます。母子手帳は妊娠中も出産後も必要な大切なものです。大切に保管し、健診時には持参しましょう。

また、個人差がありますが、つわりをピークに感じる人も多い時期です。何も食べられず、赤ちゃんに栄養が届いているか心配になるかもしれませんが、胎盤が完成する15週頃までは、赤ちゃんが自分で栄養をまかなっているので大丈夫ですよ。食べれるときに食べて、ゆったりとしてくださいね。10週目くらいを過ぎると、つわりのピークを過ぎて徐々に楽になってきます。

このほかに、頻尿や便秘といった症状に悩まされるかも。トイレをガマンしないのはもちろんのこと、症状が続くようであれば病院で相談してみましょう。

この時期は、服用した薬が赤ちゃんに影響する可能性がごくわずかにあるため、妊娠中の服用は必ず医師と相談の上、行ってくださいね。

♥妊娠4カ月(12週〜15週)

赤ちゃんは、身長約60~130mm、体重約15~100gにまで成長します。妊娠12週には、赤ちゃんの性別もわかるようになっています。

器官の形成がほぼ終わり、これからは体や手足の骨、筋肉などを発達させていきます。15週頃には胎盤が完成します。胎盤は赤ちゃんとママをつなぐ大切なもので、母体から赤ちゃんに酸素や栄養を届けたり、赤ちゃんにとって不要な老廃物を母体の血液に戻す働きなどをします。羊水も増えるため、超音波検査では活発に動く赤ちゃんが見えるかもしれません。

ママの体は、妊娠4カ月目になると基礎体温が平熱に戻り、お腹もふくらみ始めます。つらかったつわりがおさまる人も。つわりがおさまると急に食欲が出てきたりしますが注意が必要です。へその緒を通してママが食べたものが赤ちゃんにも届くことを意識して、食事のバランスに気をつけましょう。妊娠は太り過ぎも痩せ過ぎもトラブルの原因となるため、体重管理はとても大切です。

妊娠中期(16週から27週目)の胎児の成長過程とママの体の変化

いよいよ妊娠中期です。お腹も目立ち始めるこの時期の胎児の成長過程とママの体の変化を紹介します。

♥妊娠5カ月(16週〜19週)

妊娠5カ月になると、赤ちゃんは身長約110~200mm、体重約60~280gに成長します。爪が生えてきて、超音波エコーで骨が確認できるようになり、肺・腎臓・膀胱もほとんど完成。髪の毛、まつげ、まゆ毛も生えてきて、指紋もできる時期です。

赤ちゃんは4頭身になり、バランスのとれた体つきに。動きも活発になってきます。赤ちゃんの体に皮下脂肪がつき始め、骨も丈夫になり筋肉もついてきます。超音波検査では手を口元にもってくるなどのしぐさや指しゃぶりをする姿を見れるかもしれませんよ。

ママの体は、お腹のふくらみが目立ってくるようになります。普段の服がきつく感じたらマタニティウェアなどを着るといいでしょう。

妊娠中期はつわりの症状も軽くなり、流産の発生率も少なくなるため「安定期」と呼ぶこともあります。しかし、お腹の中には赤ちゃんがいることを忘れずに、あまり無理はしないようにしましょう。

また妊娠中は、ホルモンバランスによって口腔内の環境が悪くなります。歯医者さんに行って検診を受けるといいでしょう。

このほかに、下半身がむくみやすくなったり、胸が張って乳汁が出たりすることがあります。

お腹の皮膚に赤紫色の筋状の線ができる「妊娠線」ができやすい時期でもあるので、保湿ケアなどをして乾燥対策をしましょう。

貧血になりやすいので、予防のために鉄分をしっかりと摂るなどして対策することもお忘れなく。

妊娠17週から妊娠後期にかけて、子宮は週に1cmずつくらい大きくなります。だんだんと腰痛などに悩まされるママも出てくるので、対策を考えておきましょう。

♥妊娠6カ月(20週〜23週)

赤ちゃんは、身長約170~300mm、体重約220~700gまで成長。胎動が活発になり、まゆ毛・まつげがしっかりしてきて、まぶたが上下に分かれます。顔立ちもはっきりしてきます。脳にシワができ始めるのは、この頃と言われています。

妊娠22週くらいになると、性腺が発達し、ホルモン分泌も始まります。

消化器、泌尿器などの器官も成熟してきます。聴覚も備わってくるので、ママやパパの声を聞いているかもしれませんよ。たくさん話しかけてあげてくださいね。

お腹の中で元気に動く赤ちゃんの胎動を感じることが増えてきます。パパもお腹に手を当てて一緒に赤ちゃんの存在を感じましょう。

また、ママはお腹がせり出してきます。体の重心がずれ、腰や背中に負担がかかり腰痛なども感じるように。また転倒などのリスクが高くなるため、ゆっくりと少しずつ動くよう気をつけましょう。

重いものを持ったり、激しく動いたりなどの無理をすると「お腹の張り」を感じることも。安静にして治まるようであれば問題はありませんが、出血や痛みを伴う場合は、トラブルの可能性があるのですぐに受診しましょう。

体重管理が大切な時期でもあります。適正な目安は妊娠前の体重によって変わるので、主治医と相談しながら体重をコントロールしていきましょう。

♥妊娠7カ月(24週〜27週)

赤ちゃんは、身長約300~400mm、体重約500~1,250gにまで成長。聴覚が完成に近づき、味や、明るさ・暗さを感じ取れるようになってくる時期です。

耳や目で得た情報を脳へ送る伝達経路が完成し、さらに脳が発達して体の制御機能が高まり、赤ちゃん自身の意志で体の向きを変えて羊水の中をクルクル動き回るようになります。また性別もわかるようになります。

妊娠24週から妊婦健診が2週に1回になります。一方、ママの体は、お腹がさらに大きくなります。しかし同じように皮膚は伸びていくことができないため、「妊娠線」に注意が必要です。妊娠線ができないように、しっかりとケアしましょう。

お腹が大きくなってきて、前かがみするのが難しくなってくる時期です。ソックスを履いたり、足の爪切りをしたりするのが大変になります。バランスを崩して転んでしまうかもしれないので、無理な行動はしないようにしましょう。

仰向けに寝るのが苦しくなってくるので、体の左側を下にして横向きの姿勢で寝ることをおすすめします。

妊娠後期(28週から40週目)の胎児の成長過程とママの体の変化

さあ、いよいよ出産が近づいてきている妊娠後期に突入しました。この時期の胎児の成長過程とママの体の変化を紹介します。

♥妊娠8カ月(28週〜31週)

赤ちゃんは、身長約390~440mm、体重約900~2,000gにまで成長。主な臓器や骨がほぼでき上って、筋肉も発達します。赤ちゃんが外に出て生きていくために必要な最低ラインの機能が備わりだす時期です。

誕生に備えて、横隔膜を上下させ呼吸に似た動きをし始めます。心臓や肺、腎臓などの内臓器官や脳などの中枢神経の機能が充実してきます。

目鼻立ちがはっきりして表情も出てきます。妊娠後期になると赤ちゃんは頭を下にした姿勢に落ち着いてきます。胎便ができるようになり、31週頃からは体重が増えていきます。

ママの体はむくみやすくなるので、引き続き、左側を下にして横向きで寝るようにしましょう。むくみが取れやすくなりますよ。

妊娠線が太ももや胸にもできるので、クリームなどの保湿ケアで乾燥対策も続けましょう。

お腹が張ることが多くなります。横になって休むのは赤ちゃんのためにもなりますよ。それでもおさまらない場合や間隔が短くなったり、痛みや出血を伴ったりする場合はトラブルの可能性もあるため、早急に産院に連絡しましょう。

また、便秘や痔になることもあります。悪化してつらい時は医師に相談しましょう。出産まであと少しです。安産・難産の分かれ道にもなる体重管理が大切な時期です。

♥妊娠9カ月(32週〜35週)

赤ちゃんは身長約420~460mm、体重約1,400~2,700gの大きさに。妊娠32週には、羊水の量は最大になります。赤ちゃんの睡眠リズムができ上がるのもこの頃です。

皮下脂肪が増え、体つきがふっくらして、見た目は新生児とほとんど同じようになってきます。外でもしっかり呼吸ができるよう35週になると肺の機能がほぼ完成に近づきます。

仕事をしているママは、妊娠34週頃までには産休に入るよう法律で決められています。

妊娠28週以降は飛行機搭乗にお医者さんの診断書が必要なので、里帰り出産を考えている場合はお忘れなく。遅くても、32週頃までには実家へ戻れるようにしましょう。

この時期には、胃もたれ、動悸、息切れ、腰痛、足がつるといった症状や、大きくなった子宮に胃や膀胱が圧迫され、胃の不快感や頻尿、尿もれなどに悩まされことも。特に尿もれを経験したことがないママはドキッとするかもしれませんが、多くの妊婦さんが経験していることです。おりものシートや尿もれパッドを使い上手に付き合っていきましょう。

一方で、尿もれかと思ったら破水だったということもあるので、気をつけてくださいね。

♥妊娠10カ月(36週〜40週)

赤ちゃんは身長約450~500mm、体重約2,000~3,600gにまで成長。体重2,500gが赤ちゃんの成熟ラインです。

出産が近づくと、赤ちゃんは、いつ産まれてもいいように骨盤の方に下がってきます。37週〜41週6日までを「正期産」といい、赤ちゃんがいつ生まれても問題ない状態に育っている時期です。38週には赤ちゃんの内臓器官ができ上がってし、誕生の準備はバッチリです。

ママの体は、いよいよ臨月。いつ生まれてもおかしくありません。

妊娠36週から週1回の妊婦健診になります。出産予定日は40週0日ですが、あくまでも目安です。ぴったりその日に生まれるわけではないので、正期産に入ったら、いつ産まれてもいいように入院準備はしっかりとして、出産に備えましょう。

子宮が下りてきて胃の圧迫が軽くなるので、食べ過ぎて太ることがあります。最後まで食生活には気をつけ、体重が急に増えないようにしてくださいね。

出産~出産後すぐのママの体

出産後、大きくなった子宮は、元に戻ろうとして収縮を始めます。その際に痛みを伴うことも。また出産という大仕事をしたママの体はヘトヘトです。

産後1カ月は無理は禁物ですよ。この時期にしっかり体を休めないと、悪露(おろ)*1が止まらなかったり、トラブルが起こったりすることも。生後1カ月検診で医師から「妊娠前と同じ生活に戻ってOK」と言われるまでは、できるだけ無理をしないようにしましょう。

入院中に授乳や沐浴のことなど分からないことは、医師や助産師さんに聞いておきましょう。生まれたばかりの赤ちゃんにたくさんスキンシップをしてあげてくださいね。

*1 悪露:出産後の数週間、子宮や膣から出る分泌物のこと。

まとめ

いかがでしたでしょうか。妊娠中「とつきとおか」お腹の中の赤ちゃんと過ごした日々は、とても尊いものですね。つわりや、お腹もグーンと大きくなって、思うように動かなかったり、いろいろな制限があったりと苦しいこともあるかもしれませんが、赤ちゃんはママのお腹のなかでスクスク、生まれる直前まで成長しています!そして、赤ちゃんもとても頑張って生まれてきます!不安などがあれば、一人で溜め込まず、周りの人を頼ることも大切です。ママもパパもまだまだ初心者なんだから。これからも家族で協力して、育児してきましょう。

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