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2020/12/23

子どもの“疲れ目”が視力低下の原因!?大切な目を守るための6カ条

2020年10月に実施したロート製薬の調査*1によると、2020年1月頃と比較して半数以上の子どもがデジタル機器への接触時間が増加し、約5人に1人が子どもの視力低下を感じていることがわかりました。感染症予防のため、なかなか外で遊ぶことができず、家にいる時間が増えたことが背景にありますが、子どもの大切な目を守るためにはどうしたらいいか、ロート製薬の学術担当に話を聞きました。テレビやゲームや動画、勉強などで疲れた子どもの目を放置すると、視力低下につながる可能性もあるので、ぜひ知っておいてほしいお話です。

*1 全国の子供を持つ母親へのアンケート。2020年10月ロート実施

学術担当 ロートネーム:かなっぺ

この人に話を聞きました

学術担当 ロートネーム:かなっぺ

子どもの視力は大丈夫? 小学生の3人に1人以上が視力1.0未満

文部科学省の調査*2によると、小学生の3人に1人以上が視力1.0未満であり、中学生では半数以上、高校生では3人に2人以上が視力1.0未満であることが分かりました。

近視は年齢があがるにつれて進行することが多く、発症年齢が早いほど、将来、より強い近視になる傾向があります。学童期などできるだけ早いうちから視力低下を予防することがとても大切になります。

*2 学校保健統計調査 文部科学省 2019年度の速報値

“疲れ目”が視力低下の原因の1つになる!?いますぐチェック

実は、子どもの視力低下は、目の疲れの蓄積が、原因の一つとして考えられています。まずは子どもの疲れ目度合いをチェックしてみましょう。当てはまる項目が多いほど、目に負担がかかっているサインかもしれません。

テレビを見たりゲームをしている時、

  • □ 目を細めている
  • □ テレビから1.5m以内で見ている
  • □ だんだんテレビに近づいてくる
  • □ 目がしょぼしょぼして、異常にまばたきが多い
  • □ 目が赤く、腫れぼったくなっている
  • □ まばたきせず凝視している
  • □ 眉間にしわを寄せて、にらむように見ている
  • □ 横目でものを見るクセがある
  • □ 猫背で、机に顔を近づけて勉強している
  • □ 首を傾けてものを見るクセがある

仮性近視とは? 疲れ目と視力低下の関係

ヒトの目は、5m以上遠くを見た時がリラックスした自然な状態です。目が疲れたら「遠くの木を見て目を休めましょう」と言われた経験があるかもしれません。このリラックスした状態で網膜に正しくピントが合い、クリアな画像が得られる目が「正視」です。「近視」は、リラックス状態で網膜の手前でピントが結ばれ、逆に網膜よりも後ろで結ばれてしまうのが「遠視」です。

目はピントを合わせるために、眼球の中のレンズ(水晶体)がふくらんだり伸びたりします。このレンズを動かすための筋肉が毛様体筋でピント調節筋とも呼ばれています。このピント調節筋が収縮することで水晶体が厚みを変えピントを合わせることができます。

しかし、長時間近くでものを見続けていると、ピント調節筋が過度に収縮し、緊張状態でコリ固まってしまいます。結果、 目が疲れ、ものが見えにくくなるという、一時的な近視状態になることがあります。こうした状態を「仮性近視」といいます。子どもは好きなことに集中しすぎる傾向にあるので、テレビやゲームに熱中して、気づかないうちに「仮性近視」になっているかもしれません。

まだ「仮性近視」の状態であれば、ちゃんと目を休ませ、ピント調節筋のコリをほぐすことで、視力は元に戻ります。しかし、そのまま疲れ目の状態で放置すると、コリ固まった状態でクセがつき、元に戻らなくなり、本当の近視になってしまうことがあるのです。

だから、疲れ目をしっかり休ませて、目のコリをほぐすことが大切です。子どもは自分自身で疲れ目と自覚しにくいので、お子さまの大切な目を守るためにも、気遣ってあげましょう。

<視力が低いほど、脳や体も疲れやすい?驚きの関係性>

ロート製薬の調査*3によると、視力が低い子どもほど、疲れ度合いが高いというデータがあります。目の疲れが視力低下を引き起こし、肉体的・精神的な疲れにも関係していることが言えそうです。

*3 ロート調べ2010年 n=小学生の子供を持つ母親600名

子どもの視力低下を進めないための“6カ条”

視力低下を自覚する前から予防を始めれば、近視になるリスクを減らすことができます。ぜひ、この6カ条を心がけてみてくださいね。

(1)外遊びは近視を減らす!

屋外活動が長い子供は近視になるリスクが低いことが報告されています。理想は1日2時間以上です。学校の休み時間などは外で遊ぶようにしましょう。

(2)近くを見る作業は休みながら!

近くを見る作業は、目を酷使します。1時間に5〜10分程度は休憩を入れて、目を休めましょう。

(3)勉強や、スマホ、ゲーム、読書は良い姿勢で!

スマホや本などと目の距離を取るためにも、30cm以上目から離し、正しい姿勢を習慣づけましょう。また勉強する時に、頭をかたむけて片目だけを机に近づけて座ると、近視が進みやすいので要注意です。勉強する時も正しい姿勢を心がけましょう。

(4)明るい環境で見る

暗い部屋でゲームをしたり、本などを読むのは、近視に悪影響です。部屋を暗くして寝ながらスマホなどもやめましょう。

(5)質の良い睡眠をとる

強度の近視の子どもは、そうでない子に比べて、就寝時間が遅く、短く、睡眠の質が低いことが明らかになっています。体内時計が狂うことによっても近視リスクは高まるため、早寝早起きを心がけ、生活のリズムを整えましょう。
また、スマホやゲームなどの画面から出ているブルーライトには「体を目覚めさせる」働きがあるといわれているため、寝る2~3時間前までには、使用を終えるようにしましょう。

(6)疲れ目は放置しない

疲れ目は、視力低下につながる原因の1つと言われています。できるだけ目を疲れさせないように心がけましょう。目のコリをほぐす“目のストレッチ”もオススメです!
また、目が疲れてしまった場合は、疲れ目改善の「目薬」などもありますよ。

・詳しい目のストレッチ方法はこちら


いかがでしたか。子どもの目を守るためには、「目を疲れさせない」ことが大切なんですね。テレビやスマホ、ゲームをする時は、時間を決めて、休憩しながら遊び、勉強する時も正しい姿勢で取り組むことで、視力低下リスクを減らしましょう。疲れたら目のストレッチをして、目を休めることを習慣化し、まずはできることから“子どもの大切な目を守る6カ条”を心がけていきましょう。

・目が疲れてしまった場合の疲れ目改善の「目薬」はこちら

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