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2018/11/14

最先端の考え方を育毛に活かす!ロートの育毛研究と再生医療研究の接点

ロート製薬では、長年の皮膚研究を通して、さまざまなスキンケア製品を開発してきました。そこで得た経験をもとに、毛髪の土台となる頭皮に着目し、再生医療技術に発想を得た育毛研究を進めています。

今回は、ロート製薬が取り組む育毛研究と再生医療研究の接点、そして開発担当者の想いに迫ります。

この人に聞きました!

開発担当者 ロートネーム:ナリ

育毛のカギは、ヘアサイクルではなく脂肪にあった!?

ロート製薬では、2006年から育毛に関する研究を進めているのですが、まず注目したのはヘアサイクル(毛周期)でした。

正常な頭髪は、「成長期」でどんどん毛が伸びて「退行期」で成長が止まり毛球の退縮が起こり、最後の「休止期」で全く動かなくなり、次の毛がまた出てくるタイミングで毛が抜けるというサイクルをたどっています。

この成長期をもっと長くしたり、休止期に動かなくなった毛を起こそうとしたりと、ヘアサイクルに働きかける研究を進めていました。

ただ、2013年に「再生医療研究企画部」を新設して本格的に再生医療に取り組みはじめたとき、育毛についても別のアプローチがあるのではないかと考えるようになったんです。

育毛に関する研究は世界中で進められているんですが、育毛・脱毛はヘアサイクルの問題だけでなく、脂肪にある細胞が重要なカギを握ることがすでに発見されていて。さらに、いろんな細胞のもとになる「幹細胞」がダメージを受けて維持できなくなると、毛が小さくなって最終的に皮膚になるという研究結果も報告されています。

こうした最先端の考えを取り入れたうえで、脂肪にある幹細胞をメインに育毛の再生医療研究を進めることになりました。

育毛へのアプローチは早めが肝心!

実は、かなり脱毛が進行してしまっている状態よりも症状が軽いときのほうが、そして若い世代のほうが、育毛治療の効果が高かったとの研究結果も報告されています。

なんらかの理由で幹細胞の維持がうまくいかなくなって皮膚になるというのは、つまり毛穴がなくなるということ。そうなると、毛髪を生えさせるのは難しくなってしまうんです。

とくに30代だと、抜け毛が気になりながらも「まだ早いのでは……」と思う方も少なくないようですが、育毛は早い段階でのアプローチが肝心です。私たちも、若い世代をしっかり視野に入れて、さらに研究を重ねていきたいと考えています。

どんな想いで研究に取り組んでいる?

現在ロートの育毛研究のベースとなっているのは、ロート製薬が続けてきた再生医療研究です。そして、再生医療研究をバックアップするのが、その前に蓄積してきた遺伝子研究の経験や技術です。

私たちが進めている基礎研究は、すぐに商品化に結びつくものではありません。時間も手間もかかります。けれど、基礎研究を積み重ねることで、いままでにないアプローチが生まれる可能性はとても大きいんです。

私たちは体のいろんなトラブルを本当に治すためにはどうすればいいかをいつも考えながら研究に取り組んでいます。

とはいえ、いろいろ試しているのに半年間もいいデータが出なくて、焦りそうになったこともありました。でも、成功するまで続ければそれは失敗じゃないと。いいデータが出ないというのもひとつの大切なデータだと考えて、前向きに取り組んでいます。

開発担当者からのメッセージ

ロート製薬では、育毛以外にも、スキンケアやアイケアなどの分野で再生医療研究を進めています。違う分野の担当者と情報交換するなかで、新しい発想が生まれることも少なくありません。

製薬メーカーなので商品をつくるイメージが強いかもしれませんが、健康のベースとなるような研究を積み重ねることで、なにか新しいアプローチはできないか、困っている方たちを助ける方法はないか、私たちは常に考えています。

ロート製薬が研究を進めてきた幹細胞という大きなヒントをもとに、育毛・発毛の分野で新たな選択肢を生み出すことができれば。そう考えて、これからも粘り強く研究を進めていきたいと思います。

2人のメンバーがいいね!と言ってます。
2人のメンバーがいいね!と言ってます。