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2019/06/12

乾燥肌を建て直す?!“セラミド”の知られざる秘密に迫る!

近頃よく聞く“セラミド”は、スキンケアはもちろん、トクホ商品としてサプリメントやドリンクなどにまで活用されている話題の成分です。乾燥対策に効果的な保湿成分なのですが、その性質や実力を知ると、数ある保湿成分の中でも注目されていることに納得!手強い乾燥対策や、カサカサを繰り返す敏感な肌のお手入れにも使われたり、「乾燥肌を建て直す」と言われるほどの理由がちゃんとあるのです。肌にとって重要な役割を持つ“セラミド”について、その独特な構造や優れたパワーなど、知られざる秘密に迫ります!

最前線で肌を守る重要成分“セラミド”

赤ちゃんのようにみずみずしい肌や、陶器のようにキメ細かな肌など、理想の肌は人によって違いますが、“きれいな肌”に共通するのは、たっぷりの潤いを蓄えていることではないでしょうか。特に、肌の一番外側の組織=角層が潤いに満ちていると、その肌は見た目にもふっくらなめらかでみずみずしいものです。また、角層は“肌のバリア”としても重要な存在で、潤いを逃がさないように留めて乾燥を防ぐだけでなく、外からの刺激をブロックするという大切な役割も担っています。
そんな重要な角層のカギを握っている成分こそ“セラミド”なのです。

水も油も離さないセラミドだから乾かない!

角層は、外からの刺激を肌の中に通さず、内側の水分を逃がさないように、細胞がずらりと整列し、薄い層を形成しています。その細胞の隙間を埋めているのが角質細胞間脂質(細胞間脂質)で、それを構成している主要成分がセラミドです。

セラミドは、油とも水とも仲よくできるという性質を持っているため、一方ではセラミド同志がつながって油層を作り、もう一方では、水をがっちり抱え込んで(結合しながら)、水の層を構成。そうして、水と油の層が交互にきれいに並んだ“ラメラ構造”を作ります。
ラメラ構造によってがっちり抱えられることで、肌の水分は逃げず、潤いが保たれるのです。

肌の潤い(水分)は“蒸発しない・凍らない”!

「ラメラ構造によって、肌の水分は抱えられている」と説明しましたが、この“抱えられている”ということが潤いのポイントです。
実は角層に存在する水分には、自由に動くことのできる状態の「自由水」と、細胞間脂質の間に強く結びついている状態の「結合水」の2種類があります。自由水は、極度の乾燥状態で蒸発し、摂氏0度以下で凍るのに対し、結合水はセラミドなどにより角層の中でがっちりと抱え込まれているので、蒸発せず凍ることもありません。氷点下の超低温環境で、涙は肌の上でもすぐ凍るのに、肌の水分が凍らないのは、結合水のおかげと言えるでしょう。

乾燥が気になるからと水分を補っても、結合水ではないので、乾燥した環境下では蒸発しやすく、水分の蒸発を防ぐフタ代わりにと油分を塗っても、すべての水分を肌にとどめられるわけではありません。肌の潤いを守るためにも、バリアを整えるためにも、セラミドは欠かせない存在なのです。

セラミドの発見が、肌の潤いの概念を一新!

セラミドは肌にもともと存在する成分ですが、実はその重要性が確認されたのは比較的最近です。それまでは、肌の潤いは天然保湿成分(NMF)が守っていると考えられていましたが、様々な研究から、細胞間脂質が減少した時にも乾燥・肌荒れが起こることが新たに判明。天然保湿成分(NMF)だけでなく、細胞間脂質、その多くを占めるセラミドは特に肌の潤いを保つ大切な要因であることがわかってきました。こうして、現在は、セラミドに基づいた研究開発が様々な分野で行われているようです。

大人になるほど、セラミドは減っていくという現実

肌にとって大切な存在のセラミドですが、加齢とともに減っていくことがわかっています。
他にもセラミドが減る原因はいくつかありますが、日常生活で特に気を付けたいのが“洗う”行為です。多くの洗浄剤は、汚れを取るために活性剤で油を取り込み洗い流しますが、その際にセラミドも一緒に取りこまれ、肌から流出してしまいます。この行為を朝晩繰り返すだけでもセラミドは減っていくのに、洗う際に肌をゴシゴシこすると、物理的に角層が剥がれて細胞間脂質がむき出しになり、セラミドはいっそう流出しやすくなってしまいます。できるだけセラミドを失わないように、気を付けて洗いたいものですね。

セラミドについて、気になる疑問にお答えします!

セラミドの大切さがわかるほど、「減っていくだけで、打つ手はないの?」「どうやってセラミドを補えばいいの?」など、あれこれ気になりますよね。そんな疑問にいくつかお答えします!

Q.加齢とともに減っていくセラミドを補う方法はないの?

ずばり、セラミドは増やせます!まず1つ目は塗る方法。ダメージを受けた肌にスキンケアとして塗ると、角層に浸透して、細胞間脂質の中でラメラ構造を再構築することが確認されています。ただ、一度塗ればOKということではなく、セラミドが配合されているアイテムを、継続して塗り続けるのが理想的だと言われています。
もう1つが肌の内側からのアプローチ。他の細胞と同じようにセラミドも日々生まれ変わっています。古い細胞が壊れ(分解され)、新しい細胞が生まれるというバランスによってトータルの量が決まり、生まれる量より分解される量が多いと全体として減り、その逆ならセラミド量は増えるのです。
また最近では、サプリメントやドリンクを飲むことで、セラミドをより多く作り出す研究も進んでいるようです。

Q.保湿成分のアイテムはたくさんあるけれど、セラミドはどう違うの?

例えば、保湿成分の代表選手ともいえるヒアルロン酸やコラーゲンは、糸のように長い高分子構造が特徴です。その高分子が水分を抱え込み、肌表面で潤いの膜を作り、持続的に乾燥から守ってくれるのです。
一方セラミドは、肌の内側の角層に入り込み、細胞と細胞の間で水分を抱え込んだ層を作ると同時に、細胞をきちんと整列させることで角層を補修し、潤いが逃げない肌へ整えます。セラミドが“乾燥肌を建て直す”と言われるのは、そのためです。
本格的な保湿を望むなら、セラミドで肌を整えたうえで、ヒアルロン酸やコラーゲンなどで外からも保湿するのが望ましいですね。

保湿ケアをしてもなかなか乾燥が治まらないという方は、肌のバリアとなる角層の乱れが原因かもしれません。角層が乱れた状態では、せっかく与えた潤いも逃げてしまいがちです。まずは角層を整えることから始めましょう。そこで欠かせないのがセラミドケアです。角層の細胞同志をつなぎとめ、整列させるために欠かせないセラミドは、加齢や毎日の洗顔などでも不足しがちだから、積極的に補いたいですね。バリアを整えて健康な肌を目指すためにも、潤いを守るためにも、セラミドをお手入れに取り入れてみてください。

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