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2017/07/12

健康美人になるための「抗酸化」講座

「抗酸化」というワードを聞いた事がありますか?年齢を重ねても美しい肌を保つために、アンチエイジングは、早い段階から意識しておきたいこと。このアンチエイジングにとって重要になるのが抗酸化です。「名前は聞いた事はあるけど、いまいちどういうことか分からない…」というあなたに必見、抗酸化についてしっかり学んでいきましょう。

酸化のしくみ

まずは、酸化について学んでいきましょう。私たちの体は、酸素を吸収することによって、日々さびているのです…。

切ったリンゴは、時間が経つと茶色くなります。それが酸化している状態で、空気中の酸素と反応して、変色してしまいます。ボロボロに錆びた鉄、黒ずんで臭いが変化した油なども酸化が原因です。酸素を吸って生きている人間もまた、リンゴや鉄・油同様に酸化します。呼吸する度に人間の身体は酸化しているとも言えるでしょう。人間は身体に取り込んだ酸素を使って、食物からの栄養分をエネルギーに換えて生活しています。このように酸素は生命維持のために不可欠ですが、エネルギーを作り出す時、取り込んだすべての酸素が使われるのではなく、2〜3%が残ってしまい、それがアンチエイシングの最大の敵であるフリーラジカルに変化してしまうのです。
フリーラジカルが細胞を攻撃して身体をさびつかせ、肌の老化、さらには重大な病気を招いてしまうのです。

不安定なフリーラジカルが、細胞を次々と傷つける!

フリーラジカルとは、ペアになっていない電子を持つ原子や分子のこと。通常はペアで安定した状態を保っていますが、フリーラジカルは電子がひとつ足りないため不安定で、ほかの物質の電子を奪いペアになろうとします。フリーラジカルによって電子を奪われ、物質が変化することが「酸化」です。フリーラジカルは体内のあらゆるところで暴れまわり、遺伝子や細胞膜を破壊して、エイジングを進めてしまうのです。

クレンジング

大工がいい仕事をするには、確かな技術も必要ですが、釘などの材料がきちんとそろっていることも大事ですよね?人間もいい材料がないと、いい身体を作れません。人間の身体をきちんと働かせるタンパク質や脂質が、その材料に当たります。しかし、身体の中でフリーラジカルが発生すると、タンパク質や脂質などの構造を壊してボロボロにしてしまいます。そんな状況が健康と美容に好ましくない結果を生むことに。例えば、皮膚や骨、筋肉などに多く存在するタンパク質の一種・コラーゲンは肌のハリや弾力に大きく関わり、若さを保つためとても大切です。しかし、紫外線を浴ぼると、フリーラジカルが生み出され、コラーゲンが酸化を受け、構造が破壊されることによって、シミやたるみを引き起こしてしまいます。

酸化の原因

良く目にするリンゴや鉄のさびと同様のことが、私たちの体に起こっているとは、恐ろしいですね…。では、この酸化はどうやって起こってしまうのでしょうか?以下の4つが、酸化の大きな原因です。

① ストレス

— 過度なストレスが老化を進める原因に

不安や著しい緊張状態、イライラなど、人の身体はストレスを感じた時に交感神経が活性化され、血管が収縮して血行障害となり、各細胞に酸素が行きわたらなくなります。この状態が繰り返されるとフリーラジカルが大量に発生してしまい、細胞がダメージを受けてしまいます。

② 紫外線

— コラーゲンやエラスチンを壊す。

通勤時、洗濯物を干す時など、紫外線が皮膚に当たるだけで、体内にフリーラジカルを生み出してしまいます。そして皮膚のハリを保つコラーゲンや、エラスチンを破壊してしまい、美肌の大敵である、シワ、たるみの原因になってしまいます。

③ 喫煙・過度な飲酒

— タバコの煙に含まれる物質はフリーラジカルそのもの。

タバコにはフリーラジカルを生み出したり、抗酸化物質を破壊して抗酸化力を低下させてしまう物質が多く含まれています。また過度の飲酒でもフリーラジカルが発生します。大量のアルコール分を肝臓が分解しきれずに、大量に残った中間産物がフリーラジカルを発生させます。

④ 排気ガス

— 排気ガスが体内に入るとフリーラジカルが大量に発生!?

自動車の排気ガス(特にトラックなど大型ディーゼルエンジンから排出される化学物質・ディーゼル小粒子)が、身体の中に入ってしまうととても危険。排気ガスにはフリーラジカルそのものが含まれていたり、体内に入ってフリーラジカルを生み出し、抗酸化力を低下させてしまいます。

この4つの原因を防ぐことが大事ですが、さらに大事なことは、そもそも私たちには、フリーラジカルの攻撃から身を守るために抗酸化力が備わっています。酸化の原因を防ぎつつ、抗酸化力を高めることで、身体の酸化を防ぎ、いつまでも瑞々しい肌を保つ、みずみずしい肌で元気に過ごすことができるのです。

抗酸化力アップの方法

では、フリーラジカルを予防し、抗酸化力を上げるための方法を確認していきましょう。

① 一年中紫外線対策を

紫外線は、皮膚の老化現象であるシワ、たるみを引き起こします。これは、紫外線によって発生したフリーラジカルが、皮膚のハリを保つ真皮のコラーゲンやエラスチンを傷付けてしまうからです。10~20代の頃は、ある程度紫外線を浴びても皮膚のダメージを修復する能力が高いのですが、加齢とともにそれは低下してしまいます。紫外線は一年中降り注いでいますから、夏場はもちろん、冬でも日焼け止めを塗るなど紫外線対策をかかさずに。紫外線が強い時期(4~9月)は、さらに帽子や日傘を併せて使うこと。また紫外線は目からも入ってきやすいので、外出する際にはサングラスを着用しましょう。

② 睡眠の質を上げる

睡眠中は人間の活動の中で最もエネルギーを使わない時。体内に取り入れる酸素量も減るのでフリーラジカルの発生を抑えることができます。この時にしっかり身体を休めることが、アンチエイジングになるのです。寝ている間に成長ホルモンが作られるので、ただ眠るのではなく質のよい睡眠を。眠くなるタイミングとされる、起床から15~18時間後に眠りにつくようにすると、深く眠れると言われています。難しい場合は、眠る部屋を真っ暗にし、目が覚めたらカーテンを開けて光を浴びるようにしましょう。規則的なリズムを作ることが大切です。浅い眠りは、脳が休まっていない状態なので、老化を招いてしまうことになります。

③ カロリー制限で肥満を予防

食べ過ぎると、食べ物の消化に携わる胃や腸で大量のエネルギーが必要になり、膨大な量の酸素を使うことになります。そのため、消費しきれなかった酸素がフリーラジカルに変化し、老化を引き起こす原因になります。さらに、蓄積した内臓脂肪からフリーラジカルを発生させる物質が大量に放出されます。この結果フリーラジカルが動脈硬化を生み、脳卒中や心筋梗塞など危険な病気を引き起こすことも。カロリー制限で肥満を予防することは、見た目の美しさはもちろん、体内からも健康を保つことにつながるのです。

④ 適度な運動を取る

運動すると成長ホルモンの分泌が促され、筋肉や骨の細胞を再生する力が出てくるので、アンチエイジングには効果的。ただ、適度な運動は抗酸化力を高めますが、激しい運動はフリーラジカルを発生させます。長年運動をやっている人であれば、体内にフリーラジカルが発生しても、それを消去する酵素が働いて身体が酸化されるのを防いでくれます。一方、普段からあまり運動をしていない人は、運動習慣に身体が慣れていないため、すべての酸素を消費できず、体内で発生したフリーラジカルが細胞を傷付け、酸化を増強してしまいます。健康のための運動なら、1日30分ほどウォーキングをするなど、無理をしない程度に、少しずつ運動量を増やしていくといいでしょう。

⑤ 抗酸化物質を摂る

美容と健康に多大なダメージを与える酸化を食い止めるためには、体内で発生したフリーラジカルを消し去る役割を持つ抗酸化物質を摂取するのが効果的。手に入りやすい身近な食品に多く含まれているので、次ページで紹介しているような、カラフルな野菜や魚、フルーツ、そしてナッツや胡麻などの豆や種子類、味噌や納豆、ヨーグルトなどの発酵食品や、ハーブやスパイスなどの香辛料、酸っぱいものなど、抗酸化物質を多く含む食品を取り入れていきましょう。

さびないための食品の取り入れ方

抗酸化力を高めるためには、抗酸化物質を多く含む食品を摂取するのがとても効果的です。では、抗酸化物質を多く含む食品をご紹介します!

① カラフルなものーカラフルな食品には抗酸化物質がたっぷり

トマトやパプリカ、ブロッコリーなどの野菜、すいか、みかんなどのフルーツ、鮭やカニなどの魚介類。見た目にカラフルな食品は、抗酸化物質である天然の色素を豊富に含んでいます。これらは紫外線をたくさん浴びる過酷な環境で育っているので、紫外線から身を守るために鮮やかな色をしているのです。積極的に摂れば、抗酸化力を上げることができます。同じトマトでもより赤いもの、アスパラガスならホワイトよりグリーンを、というように、紫外線をシャットアウトして育てられたものよりも、過酷な環境で育てられたものを選ぶのがおすすめです。

クレンジング

【効率よく摂るポイント】

野菜も果物も、完熟ものを選びましょう。抗酸化力も味わいも完熟した時が一番に!

バナナは、“シュガースポット”と呼ばれる茶色い斑点が出ると、抗酸化力が2倍以上に増加します。糖度も増すので、おいしさもアップ。抗酸化力が高いパプリカも、完熟野菜です。

クレンジング

カロチンを含む野菜は オリーブオイルをプラス!カロチンは油と一緒に吸収率を高める秘訣

人参やかぼちゃなどカロチンを含む野菜は塩もみでしんなりさせてからオリーブオイルをプラス。サラダで食べるのがおすすめです。カロチンは油に溶ける脂溶性のビタミンなので、油と一緒に摂ることで吸収率がより高まり、抗酸化力もアップしますよ。

クレンジング

② ナッツなどの種子

植物は種から発芽しますが、発芽に適した時期が来るまで、激しい気温の変化や、降り注ぐ紫外線の中で、じっと待っています。そんな過酷な環境でも腐敗(酸化)しないために、種は抗酸化物質を蓄えるようになりました。「畑のお肉」と呼ばれる大豆や、お酒のおつまみに好まれるアーモンド、カシューナッツも抗酸化物質ビタミンEを多く含む種。胡麻は、酸化の影響を受けず、長年新鮮さを保ち続けられる強力な抗酸化物質・ゴマリグナンを豊富に含んでいることで知られています。

ナッツなどの種子

③ 発酵食品

納豆や味噌、豆腐、漬け物など日本古来のものをはじめ、ヨーグルトやチーズなどのさまざまな発酵食品は、抗酸化物質を多く含んでいます。これは、菌が食品を発酵させて、長期間保存できるようにすることで、酸化を防ぐ=抗酸化力を高めているからです。また発酵食品は、醗酵によって、アミノ酸やビタミンなどがたくさん作られ、発酵させる前の状態より栄養価が高いものへと変化しています。

発酵食品

④ 酸っぱいもの

酸っぱいものもアンチエイジングに効果的。例えば梅干しは、抗酸化力が強いクエン酸が豊富です。ご飯の真ん中に梅干しを入れた日の丸弁当は、ご飯のおかずというだけでなく、クエン酸の効果でご飯が傷むのを防ぐ目的もありました。お酢もクエン酸が豊富で、抗酸化力の高い食品。体内の脂肪を分解したり、血圧の上昇を防いでくれたりと、抗酸化力以外にもさまざまな健康維持効果があると言われています。

酸っぱいもの

⑤ スパイス・ハーブ

こしょうなどのスパイスや、タイム、ローズマリーなどのハーブは、料理の香りや味わいをよくするものとして使われています。これらは、肉や魚の表面に塗って、酸化から食品の腐敗を遅らせ、長期保存するためにも使用されます。肉や魚が腐るのは酸化が原因のひとつですから、スパイスやハーブも人間の酸化のスピードを遅らせる働きがあります。スパイスがふんだんに使われているカレーは、アンチエイジングに効果的と言えます。

酸っぱいもの

いかがでしたでしょうか?アンチエイジングにとって、抗酸化は必須!抗酸化力をしっかり補って、内側から綺麗な肌になりましょう!

・出典元:太陽笑顔fufufu

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