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2020/04/22

健康だけでなく環境にも配慮する、ロートのサスティナブルな挑戦

砂浜に打ち上げられたクジラの胃の中に、何十キロものプラスチックゴミが詰まっていた。そんなショッキングなニュースを目にしたことのある方も多いのではないでしょうか。近年、プラスチックゴミによる環境汚染や生態系への悪影響は、世界中で注目されている深刻な問題です。日本でもプラスチックゴミを減らそうと、国や企業の取り組みが本格化。2020年7月1日から始まるレジ袋の有料化や、プラスチック製ストローの廃止など、身近なところにも“脱プラスチック”への変化が始まっています。
ロート製薬でも取り組みを進めており、人気のブランド「肌ラボ」のパッケージを、より環境への配慮を高めた素材に変更しました。植物由来の原料を一部に用いたバイオマス容器・パウチへの切り替えを通して、ロート製薬の環境対策への想いをお伝えします。

いち早く環境問題に取り組んできた「肌ラボ」

「肌にいい成分をぎゅっと詰め込んだシンプルな化粧品を作りたい」。そんな想いから誕生した「肌ラボ」は、うるおいにこだわって、保水力の高いヒアルロン酸をふんだんに配合。無駄なものをそぎ落とし、シンプルにいいものだけを肌に届けるスキンケアブランドです。高効果なのにリーズナブルで、とろみのある心地よい使用感、そしてもちもちの肌実感。使いやすさと効果感を追求したアイテムは、発売するやいなや多くのお客様からご支持をいただきました。そこからリニューアルを重ね、発売から15年以上が経った今では12年連続肌支持率No.1※1を誇る、一大ブランドになっています。
「肌ラボ」のパッケージは、2004年の発売時は多くの化粧品と同様にガラス製でしたが、2005年には、使い捨てによる無駄なゴミを減らそうと、当時はまだあまりなかった詰め替え用パウチをいち早く採用しました。
「多くのお客様がリピートしてくださる肌ラボこそ、率先して環境対策に取り組んでいこう」。それが、モノづくりを行う企業としてロート製薬が導き出した答えでした。

※1 化粧水の合計販売個数に対する「肌ラボ」シリーズの割合(インテージSRI化粧水市場2007年4月~2019年3月販売個数)

深刻化するプラスチックゴミ問題への取り組み

近年、世界中で環境問題への意識が高まっています。化石燃料(石油や石炭など)の利用によって温室効果ガスが増え、オゾン層が減少。地球温暖化が進み、海面は上昇し、洪水や台風が増加するばかり。このような気候変動にくわえて近年は、河川に流され海にたどり着き、自然分解できずに蓄積していくプラスチックゴミの問題も深刻化。一度放出されたプラスチックゴミの多くは数百年以上も残り続け※2、環境や生態系を壊すばかりか、私たちの健康にも影響を及ぼすと言われています。
そんな今こそ、時代とともにより細かな肌悩みに寄り添うブランドへと成長してきた「肌ラボ」を通じて、環境への取り組みをもう一歩進めようと、ロート製薬の挑戦が始まりました。

※2 WWF「海洋プラスチックゴミについて」2018.10.26より<Barnes, David KA, et al.(2009)>

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「肌ラボ」だからこそ、できることがある

実は以前から、「肌ラボ」をより環境に配慮したパッケージに変更する話があったものの、クリアすべき課題が多く、なかなか先に進むことができずにいました。製品力を愛していただいている一方で、長く慣れ親しんできたデザインや、納得できる価格設定、使い勝手のよさも魅力の一つ。どれも欠かすことはできません。けれども、“お客様の美と健康を実現する”というロート製薬のモノづくりの原点に立ち返ると、地球の健康こそがすべての土台であることが見えてきました。すると、「健康に挑戦してきたロートだからこそ、できることがあるはず」。そんな使命感が社員一人ひとりに生まれてきたのです。

商品のすばらしさも使いやすさも損ねることなく、より環境に配慮したパッケージを実現する新素材には、世界中の国々が環境・経済・社会のために達成すべき目標にしているSDGs※3を考慮しました。そして、ロート製薬の持続可能な環境活動のスタートとして選んだ素材が“バイオマスプラスチック”です。
バイオマスとは、“化石資源(石油や石炭など)以外の生物を原料とした、再生可能な資源”のことで、主にトウモロコシやサトウキビなど植物由来の原料を一部に使った生分解性素材です。植物由来の原料を使う分、石油の使用を減らすことができるだけでなく、微生物に分解されて自然に還るので生態系に悪い影響を与えず、より地球環境の負荷を減らすことができるのです。

※3 SDGs(持続可能な開発目標)とは、2015年9月の国連サミットで採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」にて記載された2030年までに持続可能でよりよい世界を目指す国際目標です。17のゴール・169のターゲットから構成され、地球上の「誰一人取り残さない(leave no one behind)」ことを誓っています。(外務省HPより抜粋)

一つの挑戦がロート製薬の環境意識をより高めるきかっけに

「肌ラボ」極潤・白潤シリーズ6品※4のパッケージをバイオマスパウチに変更したことによって、年間約3.8トンのCO2を削減することができます。換算すると、これは500mlの耐熱ペットボトル約2.4万本にも当たります※6。決して簡単ではなかったリニューアルですが、こんなにも大きな結果につながることがわかり、より一層環境意識が高まることとなりました。そして、今後他のブランドでも同様に環境に配慮した商品づくりを進めていく話が挙がるなど、その意識はロート製薬全体に広まっています。
今回採用したバイオマスパウチのように、環境対応をしている商品パッケージには、新たに制定したオリジナルの「R・ecoマーク」を入れています。これから生まれてくる次世代の子どもたちのために、「ひとのココロとカラダはもちろん、地球の健康も実現していきたい」という想いを込めて、子どもが前向きに歩く様子をRの文字に映したこのマークは、ロート製薬が環境問題に取り組み、責任ある行動をしていくという決意の証です。

R.eco ココロもカラダも地球も健康に

※4 極潤 ヒアルロン液詰め替え(販売名=ハダラボモイスト化粧水c)、
極潤 ヒアルロン液(ライトタイプ)詰め替え(販売名=ハダラボモイスト化粧水Lc)、
極潤 ヒアルロン乳液詰め替え(販売名=ハダラボモイスト乳液b)、
白潤 薬用美白※5化粧水詰め替え(販売名=ハダラボ薬用ホワイトニング化粧水Lb)、
白潤 薬用美白※5化粧水(しっとりタイプ)詰め替え(販売名=ハダラボ薬用ホワイトニング化粧水Rb)、
白潤 薬用美白※5乳液詰め替え(販売名=ハダラボ薬用ホワイトニング乳液b)

※5「美白」とは:メラニンの生成を抑え、しみ・そばかすを防ぐ

※6 2018年購入資材より算出

リーダーとしてこの取り組みを進めてきた企画担当者は言います。「全ての取り組みはお客様があってこそ。お客様の健康と地球環境の健康、どちらも大切にすることは、これからの商品づくりに必要不可欠です。いつも通りに肌ラボを使うと、環境にいいことをしていた。そんな風に、さりげなくお客様も巻き込んでいけたら素敵ですよね
ロート製薬はこれからも、私たちだからこそできる取り組みについて考え、実行していきます。

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