記事
2020/05/27

運動するほど太くなる?!下半身痩せの真実に迫る!

「なんだか昔より下半身が太くなった」「お腹だけ痩せづらい」「ウォーキングあんなに頑張っているのにお腹だけぽっこり・・・」。こんな声に共感する女性はけっこう多いかもしれません。実は、下半身太りのカギを握るのは、ピラティスで「コアのインナーユニット」と呼ばれる、体の中心部分の筋肉群。普段、運動しない40代以降の女性がいきなり筋トレや運動をするよりは、まずはしくみを知って的確なストレッチをする方が効果的です。「コアのインナーユニット」を使えていないとむしろ逆効果にもなりえるそう。FTPピラティス教育ディレクターの石川沙樹先生は「下半身太りの原因は“固まる”と“下がる”」だと断言されています!さて、その真意は?

FTPピラティス教育ディレクター:石川沙樹先生

教えてくれたのは

FTPピラティス教育ディレクター:石川沙樹先生

ロート製薬が運営する「スマートキャンプ東京」をはじめ都内スタジオでレッスンを行う他、海外トレーナーが行う研修の通訳や、インストラクター養成、国内のイベントやワークショップの講師、海外でのトレードショーなどのプレゼンターも務める。鍼灸師(国家資格)としても活躍中。

すべての運動の基本は、『コアのインナーユニット』にあり

「コアのインナーユニット」とは、身体のいちばん深いところにある軸となる筋肉群のことです。横隔膜と腹横筋、多裂筋、骨盤底筋群の筒状になった4つの筋肉をさします。呼吸によって横隔膜が上下すると、それに連動して残りの筋肉も収縮します。これがいわゆる「体幹」といわれている筋肉群です。

たとえば、何か重い荷物を持ち上げようとするとグッとお腹に力が入りますよね。まず「体幹」部分の腹横筋に力が入り、それが指先の筋肉まで伝わることで荷物を持ち上げられます。これはペンのような軽いものを持つときでも同じ。常に筋肉を動かすスイッチは体幹にあります。

最近では競技に関係なく、トップアスリートたちはまず体幹を鍛えることからトレーニングをはじめます。体幹が機能的に動いてこそ、あらゆる動作のパフォーマンスがあがるとわかってきたからです。そしてこの体幹のパファーマンスこそ、実は下半身太りに大きく影響しているんですね。

骨盤が後傾して「固まる」と、どんどん下半身が太りはじめる

体幹がもっとも効果を発揮するのは、背骨と骨盤が理想的な位置関係にあるときです。ところが日本人女性は全般的に骨盤が後傾している方が多く、加齢と共にその傾向は強くなります。座っているときも立っているときも、腰が後ろに下がって骨盤が倒れた姿勢、思い当たりませんか。

骨盤が後傾すると背骨のS字ラインもくずれ、体幹の筋肉群も歪み、本来の動き、収縮することができなくなってしまいます。そうすると体幹周辺の筋肉も収縮しづらくなります。もちろん骨盤が前傾の場合も同じです。収縮できない筋肉群はゆるんだまま「固まった」状態になり代謝も悪くなり、結果的にお腹やお尻にぜい肉がどんどんついていってしまうのです。

股関節が固まると、お尻が垂れて太もももどんどん太くなる

実は、お尻が垂れて、太ももの前側が太くなるのは、骨盤の後傾が影響している可能性も。骨盤が後傾すると前ももと膝関節が過剰に引っ張られ、筋肉も伸びきった状態になってしまいます。

反対に太ももの裏側のハムストリングスやお尻の大臀筋は使われないまま、どんどん固まります。固まるだけでなくハムストリングスはさらに縮んで、お尻のぜい肉を下へ下へとひっぱり……、お尻は垂れてしまうのです。

そして、いつも力が入っている太ももの前側に、どんどんぜい肉がついてきます。さらにつま先に負荷がかかり、外反母趾などの原因にもなりえます。

骨盤が後傾した偏った姿勢を続けると、使わない筋肉は固くなり股関節や膝関節の可動域が小さくなっていきますが、これはリンパにも影響します。全身を巡るはずのリンパが滞り、老廃物や脂質が下半身に残って太くなってしまうのです。

股関節は本来、前後、外、内、外ねじり、内ねじりと6方向に動きます。固まった筋肉や関節をしっかり動かすことで代謝やリンパの流れがよくなり、下半身太りを防いでくれるのです。

重力には逆らえない!加齢で「下がる」内臓にストップを

もうひとつ大切なのは、年齢と共に重力にひっぱられ内臓は少しずつ「下がる」という事実です。ジムで飛んだり跳ねたり、ジョギングなどの運動は、骨盤底から上へと内臓を引き上げる筋肉を鍛えていないと、やればやるほど内蔵が下がってしまい、余計に下っ腹が出る原因にもなりかねません。

接客業など立っていることが多い職種の方や、加齢とともお腹が出てきたなと思う方は、重力に負けないように、まずは骨盤底筋群を鍛えるのが大切です。そして、横隔膜、腹横筋、多裂筋とあわせて、体幹全体で内臓をしっかり引き上げる力をつけましょう。

後編では、さっそく下半身太りに効果的なアクティブストレッチを5つご紹介します。どれも自宅でできる簡単なものばかり、ぜひ気分転換がわりにとりいれてください。

関連記事
・すらりとした下半身が手にはいる!自宅でできる簡単ストレッチ

2人のメンバーがいいね!と言ってます。
2人のメンバーがいいね!と言ってます。
この記事のタグ
  • #ヘルスケア
  • #運動
  • #姿勢