「きれいでありたい」そう願う女性たちの心は万国共通です。なめらかな肌、美しい髪、チャーミングな笑顔…。世界中を見渡せば、まだまだ私たち日本人が知らない“美”をつくるためのメソッドがたくさんあふれているはず！ そこには、今よりもっと輝くためのヒントが隠されているかもしれません。
2001年よりフランス在住、現地でエステティシャンとしても活躍するヴァン・デック詩帆さんが「フランス女性の美」についてお話します。
ありのままの自分を愛するフランス女性
フランスにいると気がつくのが、彼女たちの多くが普段仕事に行く時すらすっぴん、あるいはごく軽いナチュラルメイクで過ごしているということ。普段のメイクはマスカラとアイライン、せいぜい口紅のポイントメイクまで。ファンデーションを厚く塗っている女性を見かけることはほとんどありません。
特にナチュラル志向の高いパリジェンヌは、できるだけ肌への負担を避ける傾向にあります。たとえシワやシミがあっても、シワは美しく年を重ねた証、シミは太陽の下でバカンスを謳歌した証だと受け入れてあまり気にしないようです。
とはいえ、素肌に自信がなければ、すっぴんはなかなか人前にさらせないもの。パリジェンヌはすっぴんで過ごすために、素肌を美しく保つケアを行っています。
ふきとり洗顔ですっぴん力をあげる
すっぴん力の高いパリジェンヌが何より大切にしているが「肌を清潔に保つこと」。洗顔はとても大切なステップだと考えられています。フランスは空気が乾燥しているため、過度な洗顔は肌の油分や水分を取りすぎてしまいます。また水道水は硬質でカルキが多く含まれており、日本のような洗い流す洗顔に向いていないため、フランスではふきとり洗顔が主流です。
朝の洗顔は、基本は化粧水をたっぷり染み込ませたコットンでふきとるのみで済ませます。夜はたっぷりのクレンジングミルクでメイクの油汚れや皮脂をしっかり浮かしてから、化粧水を染み込ませたコットンでふきとります。フランスでは、化粧水は洗顔料や水の役割を担っており、汚れをふきとるために使われるのです。
フランスの洗顔やクレンジングの仕方は日本のそれとは随分異なりますが、いずれにせよ洗顔の一番の目的は、皮脂、メイク、汗、埃などの肌表面に付着した汚れを取り除くこと。古くなった油は酸化して肌を老化させる原因になるので、毎日きちんと取り除くことが大切です。
パリジェンヌのホームケア＆サロンケア
パリジェンヌは家でのお手入れに加えて、エステサロンでのお手入れのダブルケアで、徹底して肌を清潔に保つように努めています。
フランスのエステサロンは敷居の高いものではなく、エステティシャンは気軽に相談できる美容アドバイザーのような存在です。年頃になると、母親に連れられてエステサロンに行き、母親を担当しているエステティシャンから初めてのトリートメントを受けたり、スキンケアの指導を受けることは珍しいことではなく、母から娘へと、時には親子３代が同じメソッドを受け継いでいることも。
どのエステサロンにも必ず「汚れを落とすトリートメント」があり、フランス女性は定期的にプロによるケアを受けています。同時に日本ではあまり馴染みのない、角栓や白ニキビ、毛穴の黒ずみなどを特殊な器具を使って押し出すエクストラクションという施術を受けることもできます。
家でのお手入れで、パリジェンヌにとって欠かせないのが１〜２週間に１度のゴマージュと呼ばれる角質ケアと美容パック。角質ケアでターンオーバーの妨げになる不要な角質を取り除いた後にパックを使用すると、パックの有効成分がより浸透しやすくなります。肌の汚れが気になるときはクレイパック、乾燥が気になるときは保湿パックなど、肌の状態に合ったパックを使用することで、トラブルの少ない健康的な肌を保つことができます。
パリジェンヌに見習いたい、基本にもどるスキンケア
ご紹介した、パリジェンヌが実践している〈洗顔、角質ケア＆美容パック、エステサロンでのケア〉の目的は、いずれも肌を清潔に保つことです。彼女たちの美しい素肌は、徹底した洗顔とこまめなケアから作られているのです。
日本ではいつもすっぴんで過ごすのは抵抗があるかもしれませんが、素肌が美しいとメイクのノリもぐっとアップします。いつも自然体で、ナチュラルな美しさを好むパリジェンヌに見ならって、見落としがちな基本のスキンケアを見直してみてはいかがでしょうか。
ヴァン・デック詩帆（ヴァン・デックシホ）
パリ７区でサロンCHICHI（シシィ）を運営する、フランスのエステティック・コスメティック国家資格を持つエステティシャン。All About「フランス流美容」ガイド。フランスの美容事情やライフスタイルに精通し、パリジェンヌから学ぶ最新の美容情報をパリから発信中。
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