パーツごとに乾燥度は異なる！　正しい知識を身に付け、正しい保湿習慣を！

肌質は「皮脂量」と「水分量」の組み合わせで、4つに分類される。

■普通肌　皮脂は普通もしくは、やや少なめ。水分は十分。しっとりと潤って見える。
■乾燥肌　脂も水も不足。カサカサしてくすみ、肌荒れを起こしやすい状態。
■脂性肌　脂が過多で水も過多。ニキビができやすく、毛穴が開いて目立つことも。
■乾燥型脂性肌　脂は多いのに水が不足。皮脂はあるものの、角層保湿機能が低く保湿力が弱い状態。

この中で目指すべきは、もちろん「普通肌」です。
しかし、肌質とケアは自己判断が難しいため、皮膚科医の指導を受けることをオススメします。

顔の一部分だけでお肌の状態は測れない！

特殊なカメラ・画像分析機器で、肌の皮脂分泌の目安となるポルフィリンの分布をチェックします。

顔のパーツごとにお肌の状態は異なります。
額・眉間・鼻・顎は皮脂腺が発達している一方、口のまわりや頰はそれほど皮脂腺が発達していません。だから、鼻がベタつくからといって「脂性肌」だとは一概に判断できないのです。

上の画像は、特殊なカメラで皮脂分泌量やその分布を撮影し、測定器で肌の水分量と皮脂量を分析したもの。これを見れば、パーツによる皮脂量の違いは一目瞭然ですよね。また、季節や生理周期、そして加齢によって、肌の状態は刻々と変わっていくため、毎日「自分の肌に聞く」意識を持つことが重要といえます。

洗顔後スグに保湿化粧品をつけることを習慣に！

保湿を習慣づけることは、理想の美肌を目指す上での絶対条件です。洗顔後や入浴後はスグに保湿化粧品をつけるクセをつけましょう。
つけ方のコツは、手のひらに500円玉大くらいの化粧水をとり、両手で温めてから手のひら全体で顔をやさしく包み込むようになじませていくというもの。手のひらを当てる位置を変えながら、まんべんなくつけていきましょう。

このとき、コットンはあまりオススメできません。コットンを肌に滑らせるときに力を入れ過ぎたり、化粧水の量が不足していたりすると、お肌に摩擦刺激が加わる恐れがあるためです。また、乾燥が気になっている方は、保湿化粧品をつけた後に乳液やクリームで油分補給することも忘れずに。保湿したいパーツに「置く」ようにお肌になじませていくと効果的ですよ。

脂性肌の人も、「目のまわり」だけはしっかり油分補給を！

目のまわりは、ほかのパーツと比べて皮膚がごく薄く、皮脂腺が小さくなっています。そのため、顔の中でもっとも乾燥しやすく、エイジングが目立つパーツといわれています。だから、脂性肌の人もしっかりと油分補給をすることが大切です。油分が豊富な保湿剤を指の腹でやさしくポンポンと置くようになじませてください。

保湿ケアには「流行もの」もよくあります。シートマスクもそのひとつですが、これを使うときには規定時間に要注意。規定時間を超えて貼り続けると、角層がふやけて肌内部の水分が蒸散しやすくなってしまいます。
また、オールインワン系コスメも、ちょっと注意が必要です。「これ一つで化粧水、乳液、そしてなんと化粧下地まで」といううたい文句は魅力ですが、本当に保湿まで十分かどうかは、自分自身のお肌と相談してから判断してください。そう、正しい保湿の第一歩は、自分自身の肌を見つめることから始まるのです。

参考書籍紹介

『美肌の王道』　（日経BP社・2016年12月刊）
美容皮膚科医として多くの女性の悩みを診てきた「アオハルクリニック」の院長・小柳衣吏子さんの著書。最新の知見ももとに洗顔、保湿といった基本的な美容習慣に潜む「間違い」を修正し、「ウェルエイジング」のための正しい方法を紹介。いつまでも前向きで、キレイでいたい人の必読書です。

著者紹介

アオハルクリニック院長
小柳衣吏子　（こやなぎ・えりこ）
アオハルクリニック院長。皮膚科専門医。順天堂大学医学部卒業後、都内の美容皮膚科で経験を積み、平成23年、アオハルクリニックの院長に就任、現在に至る。“ウェルエイジング”をスローガンに、多くの人にとって、よりよい治療を日々模索する美容皮膚科のスペシャリスト。

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