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2018/08/01

紫外線ダメージは目にもある!?眼科の先生に聞きました

ジリジリと強い日差しが照りつける、この季節。「しっかりと日やけ止めを塗っているから、紫外線ケアは大丈夫!」なんて安心していませんか?紫外線のダメージは、肌だけではありません。実は目にも大きなダメージを与えているのです。そこで、伊藤医院 副院長で眼科医の有田玲子先生に、紫外線による目への影響を伺いました。

伊藤医院 副院長 眼科医 有田玲子 先生

教えてくれたのは

伊藤医院 副院長
眼科医 有田玲子先生

目に入ってくる紫外線のほとんどは角膜を覆っている涙液がブロックしてくれます。「角膜」を透過した紫外線も「水晶体」で吸収されてしまうため、「網膜」まで届くのは、わずか1~2パーセント程度。そのため、紫外線によるダメージの症状は、目の表面や「水晶体」に出ることが多いです。

紫外線が引き起こす目への影響とは?

普段の生活の中で紫外線を浴びる分には、目の機能に問題はありません。
ただ、長時間、強い紫外線を浴びたり、紫外線を長期間に渡って蓄積する事によって目の病気を発症する場合があります。
スキーや登山、サイクリング、海水浴場などで、強い紫外線を直接浴びてしまうと、一般的に雪目と呼ばれる「電気性眼炎」の症状が現れる事があります。「電気性眼炎」は、強い紫外線を浴びることで角膜の表面が傷つく病気です。角膜上皮が剥がれ、角膜の表面にたくさんの小さな傷ができた状態になり、目が真っ赤に充血してしまいます。雪山でサングラスをしないで一日中スキーをしたり、コンクリートの照り返しが強い道路で、サングラスをしないでサイクリングをしたりすると、24時間以内に症状がでる可能性が高いですね。「電気性眼炎」になってしまうのは、10代後半から20代のアクティブな若い層に多いのが特徴です。発症してしまった際は、ヒアルロン酸配合の目薬を点眼し、濡れタオルや保冷剤などで目を冷やすようにしてください。通常、1~2日程度で症状は治まりますが、念のため、医師の診察を受けておくのが良いでしょう。

次に、漁師さんや農家さんのように、長年にわたって太陽をたくさん浴びている方に多いのが「翼状片(よくじょうへん)」です。「翼状片」とは、白目の表面を覆っている半透明の「結膜」が、目頭の方から黒目に三角状に入り込んでくる病気で、白目の一部が黒目に伸びてきたように見えます。プロ野球選手やプロ並みに屋外でテニスをされる方にも多くみられますね。この病気は、紫外線による目への刺激などが考えられています。紫外線ダメージが蓄積されていくと、「白内障」「加齢黄斑変性症」を引き起こす可能性があります。これらの病気は紫外線ダメージの蓄積とも関係が深いため、年齢とともに発症率が高まります。

最近の研究では、物の詳細を見分けたり、文字を読んだりするのに重要な眼底部分「黄斑部(おうはんぶ)」にダメージを受ける「加齢黄斑変性症(かれいおうはんへんせいしょう)」という病気に紫外線の影響があることが分かり、話題になっています。「加齢黄斑変性症」は、失明に直結する恐れがある病気。初期の段階は、物がゆがんで見えたり、視野の中心が暗くなったり、欠けたりする症状が現れます。私たちは普段、左右両方の目で物を見ているため、片方の目だけがこの病気になった場合、末期の症状になるまで気が付かないケースが多くあります。初期の段階で眼内注射や手術をすれば、改善の余地がある病気なので、定期検診をしっかりと受けていただきたいですね。

紫外線の影響を受けやすい目の特徴はありますか?

紫外線を浴びる面積が広くなるので、パッチリとした大きな目の方は紫外線の影響を受けやすいようです。また、目の特徴ではありませんが、ストレスや睡眠不足など様々な要因で免疫力が低下している場合も要注意です。

紫外線から目をガード! 今日からできる予防&対策とは?

目の紫外線予防には、ヒアルロン酸配合の目薬や人工涙液など、目を潤すタイプの点眼をこまめに行うのが良いと思います。涙液の層を厚くしておけば、紫外線を反射する率が上がるので、直接ダメージを受けにくくなるからです。また、UVカットされたコンタクトレンズやサングラス、帽子、日傘などを活用するのも効果的です。ただし、サングラスは、UVカットされた色の薄いアイテムを選ぶようにしてください。色が濃いサングラスは、瞳孔が開いてしまい、紫外線が目の奥まで入りやすくなってしまうからです。日傘は、地面からの反射をカットしやすいように、裏地が黒いタイプを選ぶと良いでしょう。
また、紫外線が影響する目の病気対策として、酸化を抑制するという意味で、抗酸化力の高いサプリメントを服用するのも方法だと思います。抗酸化力が高いことでも知られるタンパク質の一種「ラクトフェリン」が、目に良いというホットトピックスもありますからね。毎日の予防&対策で、紫外線から目をしっかりと守るように心掛けましょう。

伊藤医院 副院長
眼科医 有田玲子先生

京都府立医科大学卒業後、京都府立医科大学大学院博士課程修了。慶應義塾大学眼科助手を経て、伊藤医院眼科副院長に就任。専門は、ドライアイ、マイボーム腺機能不全。丁寧な診察と的確な治療、分かりやすい説明で患者さんからの信頼も厚く、週末には講演活動を行うほか、新聞やテレビでも活躍。研究者としての業績も多くあり、高い評価を受けている。

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